「Mahalo for coming!」
カウアイ島のラムメーカー、「コロアラム」の蒸留所を案内してもらっていると、従業員のひとりが日に焼けた笑顔でそう声をかけてくれました。「マハロ」はハワイの言葉で「ありがとう」。「来てくれてありがとう!」。そんなふうに自然に声をかけてくれる工場のスタッフ、なんとも素敵な職場です。
新蒸留所、準備中
コロアラムは、ハワイ産の原料にこだわったラムメーカー。かつて一時代を築き上げたハワイのさとうきび産業は、世界的な価格競争に負け2016年に最後のミルがその歴史に幕を下ろしましたが、彼らは自分たちで栽培を始めることを計画。「オールドコロアタウン」という場所に、新しいビジターセンターと農園を準備しています。
「ボトルだけは残念ながらハワイ産じゃないんだけど(笑)。それ以外はメイドインハワイよ」
広報のクリスティ(写真左)がそう話します。
「守る」と「挑戦」と
ホワイト、ゴールド、ダーク、スパイス、ココナッツ、コーヒー、6種類のラムがラインナップするコロアラムでは、近年新しい試みもおこなわれています。
「ケンタッキーから取り寄せたバーボン樽で熟成させる、エイジドラムだよ。基本的には3年以上。ラムと樽の香りのコンビネーションが最高なんだ」
社長ボブの息子・ギャレットがうれしそうにそう教えてくれます。メイドインハワイにこだわる部分と、新しいコラボレーションを探す挑戦的な姿勢。その両方が同居しているのがコロアラムのお酒づくりなのです。
ラムで広がるオハナの輪
それぞれの場所には、その場所がもつフィーリングというものがあるように思います。コロアラムは、テイスティングルームも蒸留所も、足を踏み入れると感じるのは、なんだかカラリと明るい雰囲気。それはそこに働く人々が、その場所と共に作り上げている良心の賜物だと感じるのです。
「私ね、この工場のすごく好きなところがあって」と、スタッフのマリー(写真中央)。「誰かの誕生日だったりすると、真ん中にテーブルを寄せてみんなでお祝いするの。すごくオハナ(ハワイ語で「家族」)的でいいわよね」。
彼らのラムを楽しむことで、あなたもオハナの一員になってみてはいかがでしょうか。