ロコにも観光客にも大人気の「カウアイクッキー」。その誕生はいまから50年以上前の1965年という、ハワイでももっと古いクッキーブランドのひとつです。創業者のメーベル・ハシサカは日系2世。日本からの移住者である彼女の両親がカウアイ島で開いた食料品店で、オリジナルのクッキーを焼き始めたことでスタートしたブランドです。
北の歴史と南のアイデア
「うちのクッキーは基本的に『ショートブレッド』といわれるジャンルなの」
メーベルの娘、アン・ハシサカ(写真左)がそう教えてくれます。90歳を超えるメーベルに代わって、姉のルース(写真右)と共に現在のカウアイクッキーを切り盛りしています。
「ショートブレッドっていうのは、もともとスコットランド発祥といわれるクッキーのジャンルで、バターがたっぷり使われた食べ応えのある食感が特徴なのよ」
なるほど、「ブレッド」とついてもそれはいわゆるパンとは違うのです。バター多めのサクサクとした食感、海外のおみやげでいただくクッキーは確かにそんなタイプが多いように思います。
「ショートブレッドをベースにしながら、カウアイクッキーではオリジナルのレシピを作り上げた。私たちはこれを『ハワイアンスタイルショートブレッド』って呼んでるわ」。
北のスコットランドと南国ハワイ、この出会いから生まれた世界にひとつのショートブレッド、というわけです。
生地はすべて同じに非ず
カウアイクッキーの商品第1号は、「マカダミアショートブレッドクッキー」。いまでも不動の人気を誇る、ブランドを代表する商品です。
「マカダミアショートブレッドのほかに、コナコーヒーマカダミアとグアバマカダミア。この3種類はハワイアンスタイルショートブレッドね」
一般的なクッキーがもう少ししっとりしているのに対し、サクサクとした軽快な食感のショートブレッドに、マカダミアナッツの歯ごたえがぴったりマッチ。コナコーヒー、グアバというハワイを思わせるフレーバーでおみやげとしても大人気です。対してこちらも人気商品、「チョコレートチップマカダミアクッキー」は少々レシピが異なるようで…
「これはどちらかというと、アメリカンスタイルって呼ばれるクッキーね。サクサクっていうより、もっとザクザクって感じかしら」
フレーバーに合わせてさりげなく生地の食感を変えていたとは! その違いはぜひご自身で確かめてみてください。