2021 01.05 tue

タロにスイートポテト
チップス向きの品種は
どう選ぶ? ~前編

So Many Varieties!
Which One Is the Best for Chips? #01
HAWAIIAN CHIP COMPANY

タロイモやスイートポテトのチップスで人気の、オアフ島「ハワイアンチップカンパニー」。カリヒにある工場兼店舗は、揚げたてを求めるロコで連日にぎわいます。味の決め手は、なんといっても厳選された原料にあり。創業オーナーのジミー・チャンに聞きました。

糖分少なめがぴったり

「うちでチップスに使っているタロイモは、ブンロン(Bung Long)という品種(写真右)。ドライランドタロだよ」
タロイモには大きく分けて、田んぼのように水を張った畑で育つ「ウェットランド・タロ」と、土で育つ「ドライランド・タロ」がありますが、ブンロンは後者。菓子パンの餡などにも使われる品種だそうです。
「でんぷん質が多くて、糖分は少なめなのが特徴なんだ」
キャノーラ油でフライにする場合は、糖分が多すぎると焦げの原因に。その点糖分が少なめのブンロンはチップスに最適の品種だといいます。

ポイ向きか、チップス向きか

もともとチップスにするにはこのブンロン種が最適だといわれていたこともあり、ジミーも当初からこの品種を使用しているとのこと。ほかの品種で試したことはないのでしょうか?
「いろいろ実験はしてみたよ。農家さんもブンロン以外の品種を売りたい気持ちもあるしね。でも、糖分が高くてだめだった。そういう品種はどっちかっていうとポイ向きだね」
ポイというのは、ハワイの伝統食。蒸したタロイモをつぶして発酵させて作ります。この発酵の際に重要なのが糖分。ポイは糖分高めのタロイモでないと作りづらいというわけです。

タロイモの本当の色とは?

ちなみにタロイモと聞くと、発売されているさまざまな加工品のイメージから、薄紫の実の色を想像する方が多いかと思います。ですがそれはタロイモの中のほんの一部の品種で、実際ブンロン種は写真のように白い実にぽつぽつと紫色の点が入っているのみ。巷に出回る多くのタロイモ加工品は、なんらか着色されているものがほとんどなのです。着色料が悪ではない。でも、野菜の本当の姿をきちんと知ることもまた消費者として大切だと思います。
次週はもうひとつの人気チップス、スイートポテト(写真左)の原料についてお話します。

BRAND ブランド紹介

HAWAIIAN CHIP COMPANY
ハワイアンチップカンパニー オアフ島

ハワイ島ヒロ出身のジミー・チャンがスタートしたブランド。彼のつくるタロイモやさつまいものチップスはフリーマーケットなどで評判を呼び、現在ではコストコ、KTA、ロングスドラッグなど、多くの地元のお店で取り扱われています。野菜の旨みが凝縮したバーベキューソースも人気。お肉はもちろん、お好み焼きやたこ焼きにも合うのでお試しを