Tasting.
この言葉が嫌いな人はいないのではないでしょうか。日本語で「試食/試飲」。前回の記事でご紹介したマウイ島の蒸留所「ハリイマイレディスティリング」でも、テイスティングを含めた見学ツアーがほぼ毎日催行されています。
マウイの繁栄の中心で
「信じられないかもしれないけど、ここハリイマイレは100年ほど前までは島でもっとも栄えた町のひとつだったのよ!」
ガイドが軽妙な語り口でツアーをスタートさせます。さとうきびやパイナップルのプランテーションが多かったこのマウイの高原地帯は、ものすごい数の労働者であふれていたといいます。そして現在ハリイマイレディスティリングは、この土地からのすばらしい恵み、マウイゴールドパイナップルを使ってさまざまなお酒を蒸留しているのです。
パイナップルって、有能なんです
もともとはパイナップル畑で使われるトラックのメンテナンス場だったというかまぼこ型の建物。これが現在蒸留所、テイスティングルームとして使用されています。蒸留所に入ると、まず目に入るのは大きな貯蔵タンク。彼らの主力商品は、マウイゴールドパイナップルを使ったウォッカ「パウ」、ジン「フィドストリートジン」、ウイスキー「パニオロ」、さらにはさとうきびを原料としたラム「マヒナラム」です。
世界にひとつだけの…
ウォッカ、ジン、ウイスキーづくりは、まずパイナップルジュースを発酵するところからスタート。1週間程度かけて発酵したものを、まずステンレスの蒸留器で1次蒸留します。それをさらに2次蒸留して純度を上げるのですが、ここで使うガラスの蒸留器がとってもスペシャル。前主任蒸留士のマーク・ニグバーが、フラスコなどを製造する医療器メーカーとコラボレーションして作り上げた世界に一つだけの蒸留器なんです。
本当に40度?
「みなさん準備はいい? いよいよテイスティングルームに移動します!」
ガイドの言葉に歓声があがります。ドライバーさんは涙を飲んで我慢してくださいね。テイスティングルームでは、日替わりで数種類のお酒を実際に味わうことが可能です。お気づきかと思いますが、ここで蒸留するお酒はスピリッツ。どれも40度を越える高い度数です。しかし、驚くのはそのマイルドでクリアな味わい。蒸留酒なのでパイナップルの味そのものはしないですが、香りやわずかに残る風味にどこか甘みを思わせます。
マウイに訪れたらぜひ。WEBサイトからツアーの予約可能です。残念ながらなかなか現地に行けないという方は、bowlショップで商品販売しておりますよ!