「ALLカウアイでがんばっていこう!」
ハワイ諸島のなかでも、特にカウアイ島にはそんな心意気を感じます。他社を競合相手として見るのではなく、お互いに助け合ってともに成長していこう――。まるで島全体が大きな家族のように感じられます。そんなカウアイで、本当の家族、姉妹同士、それぞれ人気ブランドを率いるふたりの女性がいます。
リリコイとお塩
お姉ちゃん、ローリー・カルデナス(左)、妹、ローラ・クリストバル・アンダースランド。ふたりは5人姉妹の長女と次女、15カ月しか誕生日の離れていない年子です。ローリーは「アンティリリコイ」というパッションフルーツを使った食品ブランド、ローラはハワイ産の塩を使ったさまざまなフレーバーソルトを販売する「ソルティワヒネ」のオーナー。それぞれワイメアとハナペペという場所に店を構え、その距離は車でわずか10分ほどです。
真面目な姉、自由な妹
仕事で忙しい両親に代わって、小学生のころから家族の料理番となったふたり。
「キッチンに立つときは、コンロに背が届かなくてスツールが必要だったけどね(笑)」
ローリーは当時を思い出して笑います。
「ローラと私のクッキングスタイルは対照的。どちらかというと、私はレシピや指示に忠実に従って、完璧なものを調理する。ローラは天才シェフっていうような感じで、すべて目分量で実験的に料理を作り上げていったわ」
姉も妹もセカンドキャリア
10代のころは、お互い飲食店でアルバイトをしていた姉妹ですが、卒業後はフードビジネスとは違った分野で数十年のキャリアを積みました。
「お料理は大好きだったけど、当時は仕事としては考えていなかったの。こどもも小さかったしね。安定した生活を求めていた、っていうのももちろんあるわ」
ローラは正直にそう話します。
手と手を取り合って
そしてローリーは2001年、夫のトニーと共にアンティリリコイのブランドを前任者から引き継ぎました。ローラは2008年にソルティワヒネをスタート。お料理上手な姉と妹は、こうしてカウアイ島のフードビジネスの一端を担うようになったのです。
ソルティワヒネの店舗を訪ねると、アンティリリコイのパッションフルーツマスタ―ドが販売されていたり、ふたりはいまでも一緒にレシピの開発をしていたり。そんな様子を垣間見ると、なんだかこちらまで家族の一員になったかのような、なんともあたたかい気持ちになってくるのです。
※2020年夏、アンティリリコイは新オーナーのメリッサ&ジム夫妻に引き継がれました