Honolulu Beerworks(ホノルル・ビアワークス)のアイデンティティは、最初のビールが注がれるずっと前から形づくられていた。オーナー、ジェフ・サイダマンが名前を決めたとき、彼は「人がすぐに情景を思い浮かべられる名前」を求めていた。
ホノルル・ビアワークスが最初にブルワリーを構えた場所であるカカアコについて、「カカアコがどこか知らない人は多いけれど、ホノルルなら誰でも分かる」とジェフは語る。彼が望んでいたのは、ずばりシンプルで分かりやすい名前だった。土地に根ざし、飾りがなく、ブルワリーが「ホーム」とする場所と自然につながる名前だ。
※ホノルル・ビアワークスの始まりのお話はこちらから。
創業者ジェフのブルワリーへの道
ユニークなロゴに秘められた想い
その考え方はロゴにも引き継がれている。ジェフは自分のことを“ブルーカラーの人間”だと言うが、彼が惹かれたのは、かつてハワイのシュガーケーン(サトウキビ)産業を機械で支えたHonolulu Iron Works(ホノルル・アイアン・ワークス)の存在とその歴史だった。
当時の写真に写る巨大なギアや鉄製の機械は、まるで石から削り出したような重さと存在感があり、長く使われるための強さを誇っていた。ホノルル・ビアワークスのロゴは、そのイメージから直接生まれているのだ。
石のような外側のギア、そこに打ち付けられた「HONOLULU」のスチールプレート、そして島の暮らしに欠かせない海を表す小さな波。いわゆる「ビーチっぽさ」ではなく、場所性を持った産業の表現。それがホノルル・ビアワークスの個性に自然と重なっている。

地元アーティストに描いてもらった缶デザイン
缶のデザインも同じ感覚で作られている。ホノルル・ビアワークスは地元アーティストのカイ・カウルククイとタッシュ・タナラットと協力し、オアフの質感や色彩を無理なく取り込んだデザインを生み出している。商業的でも押しつけがましくもなく、彼らのアートはブルワリーの視覚的言語の一部になっている。醸造所内の大きな壁画にも反映され、見ればすぐホノルル・ビアワークスだと分かる存在感がある。
※ホノルルビアワークスで人気の缶ビールの紹介はこちらから。
”IBU80の鮫”襲来。サーファーたちを苦味で魅了する痛快クラフトビール。
ビールの名前も同じように自然に生まれてくる。多くは地元の人がよく知る場所に由来し、その他はブルワリーでの何気ない瞬間から付けられる。流行を追うための名前ではない。すべてが「自然であること」を基準としている。派手なキャンペーンも、大声で主張するようなブランド演出もない。ただ、クラフトマンシップ、コミュニティー、そしてハワイの風景によって形づくられた、静かで確かなアイデンティティがあるだけだ。
By Solario (アーティスト、シセロン資格保持者)
※この連載のコントリビューターであり、アーティストでビールのソムリエ・シセロン(Cicerone)の資格保持者でもあるSolarioについては、こちらからどうぞ。
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ビールソムリエ・シセロン有資格者多才なソラリオのアートがおもしろい





