2025 08.01 fri

レトロモダンなハワイの建築物を独自に描くアーティスト、ソラリオ氏

Retro Meets Modern: Hawaiian Architecture Through the Eyes of Artist Solario
Solario Studio

ハワイ、とくにホノルルに現存するホテルやコンドミニアム、ショップなどの中にはレトロシックな雰囲気の建造物が点在しています。古き良きハワイを感じさせてくれる、ミッドセンチュリーモダンな風景。それを独自の目線で描くイラストレーターが、マティアス・ソラリオさんです。

サンフランシスコでアートを学び、バーテンダーとしても活躍。そして…

ラテン系アメリカ人で、愛くるしい笑顔にくるくるっとした口ひげが特徴。サンフランシスコ出身で、学校でもアートを学んでいたそうですが、その後はクリエイティブな分野で働き続けたいと思い、カクテルを作り出すバーテンダーという世界に身を投じました。

バーテンダー経験は長く、ビールのソムリエ、「シセロン(Cicerone)」の資格も持っている彼。韓国のホテルからバー経営の話を持ちかけられるほどのキャリアだったのですが、パンデミック突入によりその話はなくなってしまったのだそう。しかし、その頃に弟さんの結婚式で訪れたハワイの魅力に取りつかれて、ホノルルに移住することになります。

「ハワイで初めて、アートを純粋に楽しむことができた気がします。ハワイや熱帯の風景にインスピレーションを受けながら、自分が楽しいからアートを生み出していることに気づいたんです。しかも、ハワイの人たちがそれをやさしく受け入れてくれて。アートコミュニティも、他の場所とは全然違うと感じます。お互いサポートしながら、キャリアを高め合っていける。ハッピーですよね」とソラリオさん。

ちなみに、ミッドセンチュリーとは、1950~1960年代のアメリカの文化やデザイン、建築物などのスタイルを指す言葉。とくに、ここハワイでは、シンプルながら機能性に優れ、南国の環境に合わせた開放的な空間やパティオなども有した独自の「ハワイアン・モダン」建築が発展したといわれています。

従来の建築様式だけにとらわれることなく、色使いにもちょっとした遊び心が散りばめられたハワイのミッドセンチュリーモダン。ソラリオさんは、そんな建物を中心に、ハワイの歴史や文化をアートとして形にしていったのです。

ハワイのミッドセンチュリー・モダン建築、本来の姿を想像し表現する

「僕がアートで実現したいのは、もしかしたら忘れ去られたり、注目されなかったりする古いものを取り上げることです。そして、それを人々に見せたい。だから、この島にあるミッドセンチュリー・モダン建築をモチーフにしました。だって、美しい建物やアパート、ホテルがこんなにたくさんあるんですから」。

「築70年とかで古くて、中には状態が良くないものもありますし、外には車が駐車されていたり、立ち入れないよう有刺鉄線が張り巡らされていたり。そういうものを全部取り除いて、建てられた当時、どのような姿だったのかを想像できるようにしたくて。フィクションじゃなくノンフィクションで、本当の姿を表現する。そのために、実際に残っている建物は自分で実際に見に行き、写真を撮り、忠実にアートにします。姿が変わっているものは、文献や歴史を調べることもありますね」。

だから、ソラリオさんのアートは、美しいだけでなくノスタルジックでちょっと写実的で、でもとってもやさしいんだな。うん。

ローカルブランドとのコラボ企画の依頼も後を絶たない、注目株のソラリオさん。ちなみに、大の日本好きな彼、日本語もちょっと話します。また、阪神タイガースの大ファンという一面も!いろんな意味で魅力がいっぱいの彼、これからも応援していきたいアーティストです。

BRAND ブランド紹介

Solario Studio
ソラリオ・スタジオ オアフ島

ワイキキを拠点に活動するイラストレーター。ホノルルに点在する20世紀のミッドセンチュリーの建物に魅了され、ハワイのトロピカルなライフスタイルと古い建造物を融合させたユニークな画風が特徴的です。ハワイの老舗のアロハシャツブランドから新進気鋭のTシャツブランドまで、幅広いコラボレーションで活躍する傍ら、カクテル&バービジネスのキャリアも長く、ビールソムリエの呼称資格、シセロン(Cicerone)の資格も持つ異色の存在です。