「一番のお気に入りは、ホットホットソースだね」
マウイ島で地元の食材を使ったジャムやピクルス、ソースを作る「マウイプリザーブド」。オーナーシェフ・アンソニーの一押しは、ホットホットソースだそうです。
アメリカのホットソース文化
日本ではあまりなじみのない「ホットソース」という言葉ですが、アメリカの食卓には欠かせない定番調味料。唐辛子を使った辛いソース全般を広くこう呼びます。アンソニーによると、アメリカ国内での消費量はケチャップを超えるという大人気アイテムなのです。
小粒だけどすごいやつ!
アンソニーの「ホットホットソース」は、口に含むとまずその味の奥深さに驚きます。島の名産であるマウイオニオン、ガーリック、そしてクミン、コリアンダー、ターメリックなどのスパイスが複雑に絡み合い、ひと呼吸置いて押し寄せてくるのがハワイアンチリペッパーによる辛み。これが結構なパンチ力なんです。ハワイアンチリペッパー(冒頭の写真)は小粒の唐辛子ですが、ハラペーニョの50倍、ブートジョロキア(別名ゴーストペッパー)の3分の1ほどの辛みをもつといわれるもの。しかしただ辛いだけでなく、とっても味わい深い辛みがくせになります。
フルーツ × チリが一番辛い!?
定番のホットホットソースのほかに、限定商品をつくることもあるというアンソニー。マンゴーなどのフルーツを使うこともあるそうです。
「甘いんじゃないかと思う人も多いんだけど、じつはフルーツホットソースが一番辛く感じる。フルーツの酸と酢が反応するのかな。これまでつくったなかでは、マンゴー×ゴーストペッパーが一番辛かったよ」
ゴーストペッパーには、ピーマンのような青い味わいや、かすかにりんごのようなフルーティさもあるので、それをマウイオニオンなどを使って引き出すんだ、とアンソニー。なるほど、ニューヨークのレストランでシェフとして働いていただけあり、さすがの商品開発力です。
タバスコのようにピザやパスタはもちろん、焼き鳥や中華、ラーメンにもばつぐんに合うホットホットソース。ブラッディマリーに少し垂らす、なんてのもなかなかおしゃれですよ。