2019 04.23 tue

マウイ島の蒸留士
マークの波瀾万丈
ごきげんな半生~前編

Mark, the Master Distiller
His Life Is a True Adventure! #01
HALIIMAILE DISTILLING

マウイ島「ハリイマイレディスティリング」で、パイナップルを使ったウォッカやウイスキーを手掛ける蒸留責任者のマーク・ニグバー。ちょっとした興味から彼の経歴を尋ねてみたら、いやはやこれが波瀾万丈もいいところで……。2回にわたって彼の半生をご紹介します。

Tシャツ、デニム、水着メーカー!?

「出身はアメリカ本土のコロラド。20代前半でTシャツの会社を買ったんだ。そこから、女性もののデニムのデザインをすることになって。そのころレディスデニム業界はすごく盛り上がっていたから、しばらくして会社を売却したんだ。そのあと今度はレディス水着のデザインを始めた。なかなかおもしろいデザインに仕上がってさ。真ん中にジッパーが通ってて、右と左を好きな色同士で組み合わせられるの。いいアイデアだろ?」
ちょっとさわりを聞いただけで、目をぱちぱちしてしまうほどのにぎやかなお仕事のリレー。アパレル業界にいたということは、専門学校にでも行っていたの?と聞けば、
「高校での専門は物理、化学、数学だったよ。2年間で卒業に必要な単位を全部取り終わっちゃって、3年目はレザー製品とか、ジュエリーをつくるクラスをとってたけど。遊びみたいなもんだよね(笑)」
そのあと大学には行かずに働き始めたのだそうです。

自分がやれば、いいのができる!

水着の会社も売却し、そのあとはゴルフクラブメーカーを経て、アイスホッケー用のアンダーウエアを縫製する会社を始めたマーク。スイムウェアメーカー時代に付き合いのあった縫製工場とパートナーシップを組んで仕事をしていたといいます。ずいぶんバラエティに富んだビジネスを経験してきていますが、新しいチャレンジに躊躇することはないのでしょうか?
「ないなぁ。水着も、ゴルフクラブも、ホッケーウエアも、自分がやったらもっといいものがつくれるんじゃないかな、とポジティブにしか思わないんだ」
そういって大きな声で笑うマーク。そんな彼がどうして蒸留士になったのか、後編に続きます。

BRAND ブランド紹介

HALIIMAILE DISTILLING
ハリイマイレディスティリング マウイ島

マウイゴールドパイナップルの畑のすぐ隣にある蒸留所。看板商品は、マウイゴールドとマウイ島の天然水でつくるパイナップルウォッカ「パウ」です。これをケンタッキー産3年熟成のバーボンとブレンドし、さらに熟成させたパイナップルウイスキー「パニオロ」も大人気。2019年にリタイヤした父の跡を継ぎ、コーリー・ニグバーが主任蒸留士を務めます。