ハワイ産コーヒーが手軽に楽しめると人気の、アルフレッズコーヒーのハワイブレンドドリップパック。このラインアップのうちコナブレンドに使用されている豆が、「ウォッシュト製法」から「ナチュラル製法」のものにリニューアルされたことを、前回の記事でお伝えしました。今日はもう少し深堀りして、そのスペシャルな豆についてご紹介しましょう。
※写真左:ナチュラル、右:ウォッシュト
「アナエロビック・ファーメンテーション」とは?
生産者は、ハワイ島コナで農園とコーヒー加工所を営むダグラス・マッカーナ。アメリカ本土で大企業に勤めていたキャリアを経てハワイ島に移住したストーリーは、ぜひこちらからどうぞ。彼はナチュラル製法にこだわり、その名も「コナ・ナチュラルズ」というブランドを運営。近年は現地のコナコーヒーカッピングコンテストでも、コナ・ナチュラルズの豆が優勝するなど非常に高い成績を収めています。その背景には、ダグラスが採用した「アナエロビック・ファーメンテーション」という手法があるようなのです。
「嫌気性発酵」で、フレーバーをプラス
ナチュラル製法のコーヒーは、コーヒーを果実のまま乾燥させるので、皮や果肉部分にいる微生物の働きで発酵が進みやすいとされています。しかし、ここにさらに別の発酵を加えることで、独自のフレーバーを生み出すのがアナエロビック・ファーメンテーション。アナエロビック(anaerobic)=嫌気性、ファーメンテーション(fermentation)=発酵。嫌気性(けんきせい)と呼ばれる、「酸素に触れないことで活発化する酵母や菌」を収穫したコーヒーチェリーに混ぜ込み、蓋をして空気を遮断することでその発酵を促すという手法なのです。ちなみに、前出のようにコーヒー果実にもともといる微生物の働きで起こる発酵は好気性(こうきせい)発酵。酸素があることで活発化する発酵の種類です。
「ワイン酵母」が生み出す味わい
ダグラスが選んだのは、ワイン酵母。これを収穫後のコーヒーチェリーに加え、3日間にわたり発酵させています。アルコールを添加するということではなく、あくまで「酵母」の働きを借りるという手法です。こうして嫌気性発酵されたコーヒーチェリーは、その後乾燥機で4、5日かけて乾燥。彼がコロンビアで出会ったというこのスペシャルな乾燥機を使うことで、天日干しのナチュラル製法にはつきもののカビを防ぐことができるといいます。
さて、気になるその味わいはというと…? まず感じるのは、フルーティで、ワインやチョコレートのような豊潤さをもつナチュラル製法特有のフレーバー。これに加え、紅茶やベリー系の甘み、明るい柑橘のニュアンスも併せもつのが、コナ・ナチュラルズの豆のユニークな点です。飲む人によっては、ピーチやライチ、ブランデーのアロマ、後味に黒糖、味噌のような香りが鼻に抜ける…なんていうコメントも。ぜひ一度、ご自身でその味わいをたしかめてみてください。