2024 03.26 tue

簡易版と侮るなかれ!
ドリップバックで
本格コーヒーのコツ

Just with Some Small Tips
How to Brew Better with a Pre-packed Coffee
ALFRED’S COFFEE

「ドリップパックでそこまでおいしいコーヒーは淹れられない。あくまで簡易的なオプションである、皆さんそう思っていませんか?」
そう話すのは、コーヒーのプロであるロッシ国枝さん。これまでもコーヒーの抽出についてさまざまなテクニックを伝授してきてくれました。今日のお題であるドリップパックについても、語るべきポイントは大いにあるようです。

「ドリッパーがない」ことを理解する

「まず理解しておきたいのが、ドリップパックのフィルター形状です。ショルダーをカップの縁にセットして、お湯を注いでいきますよね。フィルターに入ったコーヒーが釣り下がっている状態なので、いわゆるドリッパーは存在しないわけです。となると、お湯を注いだ際にどうなるか。上部を除いた下部と、さらにはぐるりと360度、横部分。放射状にお湯が放出されていくことになります」
たしかに、一般的な三角形のドリッパーの場合、注いだお湯が流れ出るのは下部に開いた穴からのみ。一方ドリップパックはドリッパーを介在しないので、フィルター全体からほぼ均等にお湯が染みだしていきます。
「これが何を意味するかというと、お湯の注ぎ方に変化が生じます。放射状にお湯が流れ出るため、注ぎ入れるのは真ん中だけでいい。コーヒーのおいしい淹れ方でよく見る、“のノ字”を描く必要がないんです」
真ん中から注ぐだけでも、フィルターの横分からお湯が排出される力が働く。そのため、のノ字を書いてフィルターに近い場所にお湯を注ぐと、お湯がコーヒーを通り抜ける時間が短くなり、結果、成分がじゅうぶんに抽出されないのだと国枝さんは言います。

「湯温」と「時間」のバランス次第

「コーヒーの味を左右するのは、『挽き方』『湯温』『浸水時間』。この3つだと以前の記事でもお話しました。でも、あらかじめ個包装されているドリップパックの場合、『挽き方』を変えることは当然できません。1パックに入っているコーヒーの量も決まっている。となると、コントロールできるのは、『湯温』と『浸水時間』、このふたつです」
より濃く出したい場合は「高めの湯温」で、「長めに浸水」。これがセオリーだと話します。
「旅先のホテルなどでは湯沸かしポットを使うことが多いと思いますが、沸いた瞬間が100℃。ここから、どれくらい冷ましていくか。ポットの蓋を開けてもいいでしょう」
一般的にコーヒーの抽出には92℃が推奨されますが、少し高めの94℃くらいだと濃い目に抽出されると国枝さん。出先に温度計を携帯していることは少ないと思うので、このあたりの温度感覚は、普段から養っておくといいかもしれません。
「あとは、浸水時間ですね。通常、ドリップパックにお湯を注いでいくとコーヒーの入ったフィルター全体が浸る場合が多いので、この時間をどれだけ設けるかがカギです」

熱めのお湯でしっかり抽出か、ぬるめのお湯でまろやかに抽出するか、もちろん、コーヒー豆の特性次第でその仕上がりは変わってきます。たかがドリップパックと侮らず、よりあなた好みの味になるよう研究してみてください。

この商品にまつわる出来事

BRAND ブランド紹介

ALFRED’S COFFEE
アルフレッズコーヒー オアフ島

ハワイの有名ホテル・レストラン100社以上にオリジナル焙煎のコーヒー豆を提供しているロースター、アルフレッド・コッシーナ。1983年からコーヒーの世界に携わり、いまやハワイのコーヒー業界になくてはならない人となりました。ガイドブックにはまず載らない、知る人ぞ知るコーヒー職人である彼の日本限定オリジナルブランド。