2023 09.12 tue

道具を制する者は
コーヒーを制す?
抽出の極意 ~前編

Good Tools Decides the Flavor?
How to Brew a Better Coffee
ALFRED’S COFFEE

いくら勉強をしてもゴールのない嗜好品の極み、コーヒー。そんなコーヒーの焙煎を専門とするロッシ国枝さんには、以前もbowlにご登場いただきました。今回はさらに掘り下げて、より自分好みのコーヒーに巡り合うにはどうしたらいいのか、その知識を余すことなくご披露いただきます。

コーヒー抽出に正解はない

「まずは前回のおさらいですが、コーヒーにはひとつの正解があるわけではありません。皆さんお好みの味が異なるので、いかにその理想に近づけることができるか。世の中にあまた存在する方法論に〇×をつけずに、好奇心と探求心をもっていろいろと試してみてほしいんです」
国枝さんはそう前置きします。自分がおいしいと思ったら、それがあなたのベストコーヒー。コーヒーはとっても自由な世界なんです。
「そのうえで思い出してほしいのが、コーヒーを淹れる際のポイントである、『挽き方』『湯温』『浸水時間』。目の細かい細挽きのコーヒーを、高い温度のお湯で、長い時間浸水させるほど、よりコーヒーの成分が抽出されやすくなります」
詳しくは、ぜひ過去の記事をご覧ください。

“シャワー”か、“湯舟”か?

基本を復習したところで、今日はドリッパーのお話。皆さんのご自宅にあるドリッパーがどんな種類のものなのか、まずはその特性を把握してほしいと国枝さんは言います。
「ドリッパーは、大きく分けて2種類。透過式と浸漬(しんし)式があります。もっとも一般的な、底に穴の開いた三角形のドリッパーは透過式。上からお湯をドリップすると、コーヒーの粉を通過したお湯がそのまま下方に透過していくので、こう呼ばれています。対して浸漬式は、漢字の通り“浸して漬ける”抽出方法。挽いたコーヒー豆を、一定時間お湯の中に浸水させて抽出します。フレンチプレスやサイフォン、加えて、水に長時間漬けることで抽出する『水出しコーヒー』も、浸漬式に分類されます」

透過式 VS 浸漬式に見る味の違い

透過式は上からお湯を流す方法なので、コーヒー表面の成分を削りとっていくようなイメージだと国枝さん。
「そうして抽出されたコーヒーは、風味が強く、ファーストインパクトが大きい。でも、あと味はすっきりしているという特徴があります」
対して、浸漬式は…?
「透過式がシャワーだとすると、浸漬式はお風呂。コーヒーがお湯にゆっくりと浸かるので、成分が時間をかけて溶けだしていきます。すると飲み口はやさしいながらも、あと味にはしっかりとしたボディを感じる、そんな味わいになります」
なるほど、ドリッパーだけでこんなにうんちくがあるとは…。ロッシ国枝のコーヒー講座、次回に続きます。

この商品にまつわる出来事

BRAND ブランド紹介

ALFRED’S COFFEE
アルフレッズコーヒー オアフ島

ハワイの有名ホテル・レストラン100社以上にオリジナル焙煎のコーヒー豆を提供しているロースター、アルフレッド・コッシーナ。1983年からコーヒーの世界に携わり、いまやハワイのコーヒー業界になくてはならない人となりました。ガイドブックにはまず載らない、知る人ぞ知るコーヒー職人である彼の日本限定オリジナルブランド。