人のお宅の冷蔵庫って、やっぱりすごく気になりますよね。いつの時代になってもそんなテレビ番組があることからも、普遍的な人間の興味が見てとれます。では、ハワイのお宅のお台所事情はどうでしょう? 今回はシンプルに調味料にターゲットを絞って、bowlで扱っているブランドのオーナーたちにアンケートを実施してみました。
家庭内で異文化交流
「ハワイでこのアンケートをしたいなら、相当な数を聞かないと全体像はつかめないと思うよ」
そうアドバイスしてくれたのは、オアフ島でタロイモのチップやBBQソースを販売する「ハワイアンチップカンパニー」のジミー・チャンです。彼がそう言うのも当然で、ハワイは多くの移民によって形作られる社会。じつにさまざまな国の文化が現地の文化と混ざり合い、ときに変化し、ほかには見られないとてもユニークなカルチャーを生み出しています。
「うちでは僕が中国、妻のキャミ―が日本や沖縄のエッセンスを持ち込んでいる感じだね」
その証拠に、チャン家の調味料ラインナップには、オイスターソースや海鮮醤などの中華調味料、そしてみりんなど日本で欠かせない調味料が並びます。
未知なる味を楽しむ秘訣
「我が家では、うちの家系からフィリピンの調味料と、ラルフが好きなアメリカ南部の調味料が目立つかもしれないわね」
そう話すのは、ハワイ島南部カウ地区のコーヒー農家兼焙煎所「ラスティズハワイアン」のジョアン・オブラ。彼女がリストアップしたフィリピンの調味料は日本人にはなじみの薄いものばかりでしたが、フィリピン系人口の多いハワイでは、一般的なスーパーマーケットでこれらが手に入るのだといいます。
「ラルフは、タバスコ、濃い目のBBQソース、オールドベイシーズニングあたりが欠かせないわね」
オールドベイシーズニングは、エビやカニ料理に欠かせないミックススパイス。ハワイに限らずアメリカ全土で特徴的なのが、このようなプレミックスのフレーバーソルトが多数あることです。日本ではあまり一般的でないので、用途が限定されてしまうようにも思いますが…
「肉料理、野菜、パン、ポップコーン…なんにでも振りかければおいしくなるから、とっても便利!」
とジョアン。そして、ハワイ島で養蜂を営む「ビッグアイランドビーズ」のウェンディ・グラッドは
「普段はオリジナルでスパイスをブレンドしちゃうことが多いけど、ギフトでもらって気に入るアイテムもあるわ。こないだ友達がくれた柚子入りのふりかけなんてすごくおいしくて、アボカドトーストにかけるのがお気に入りなの」
と教えてくれました。トーストにふりかけ!?とびっくりしますが、固定概念にとらわれない自由な発想こそが、新しい味を楽しむ秘訣なのだと教えられました。