2019 07.30 tue

蜂の性格は養蜂家次第!?
やさしいはちみつの味は
良好な関係性から

Bees Become Gentle if We Are Gentle
This Is How Garnett & Whendi Treat Their Bees
BIG ISLAND BEES

蜂たちに囲まれても、全然怖くない――。
ハワイ島のはちみつ生産者「ビッグアイランドビーズ」の養蜂場を訪問したときに抱いた率直な感想です。パステルカラーのかわいらしい巣箱の周りをおびただしい数のみつばちが飛び回っているその中に立っても、なぜか羽音はおだやかでやさしく響き、むしろ心が落ち着きいてきます。

父の8つ目の養蜂場

オーナーはガーネット&ウェンディ夫妻。ガーネットの家族はアメリカ本土で養蜂を家業にしてきて、彼で4代目になるのだといいます。お父さんの時代はアメリカでも5本の指に入るような規模。各地に養蜂場をもっており、その8つ目として1972年にハワイの養蜂ビジネスを買収、ビッグアイランドでのはちみつ生産を始めました。
「僕はこのハワイの養蜂場が一番好きで、夏になるとここに来て仕事をしていた。で、父がリタイヤして各地の事業を売却するってなったときに、ハワイのビジネスを買い取ったんだよ」

町に信号ひとつだけ

当初は本土とハワイを行ったり来たりしていた夫婦。しかし、そんな生活にも無理があるということで、1990年ごろにハワイ島に越してきたといいます。
「まだコナの町に信号がひとつしかなかったころよ。インターネットが広まる前だったからオンラインショップもない。買い物ってなると2時間かけて島の反対側、ヒロの町まで出かけていたわ」
ビーヤードに向かう車の中、ウェンディが昔を思い返して笑います。
「向こうに着いたら、蜂の様子を見て巣箱をひとつ開けてみようか。中、見たいでしょ?」
ガーネットにそう言われて、そのときは少し緊張したのでした。

1日100回、なんてことも

「天候や、開花状況によって蜂の機嫌は日々変わる。うん、ここなら大丈夫そう」
ガーネットがしゅこしゅこと煙を起こして巣箱に振りかけます。こうして蜂たちを落ち着かせるのです。彼の手つきや表情はとてもやわらかく、みつばちも突然の来訪者である私たちを受け入れてくれているかのようです。
「でも刺されるなんて日常茶飯事。平均で1日10か所、100か所なんて日もあるよ(笑)」
ガーネットは笑いますが、その笑顔からは蜂を本当に愛しているということが見てとれます。養蜂家の愛情は蜂たちに確実に伝わっている。だからこそ、彼らのきもちも丸くなり、なんともいえないやさしい味わいのはちみつを私たちに分け与えてくれるのでしょう。

BRAND ブランド紹介

BIG ISLAND BEES
ビッグアイランドビーズ ハワイ島

1年を通じて花の咲き乱れるハワイ島から、非加熱・無ろ過のはちみつを送り出すブランド。3代にわたり養蜂を営むガーネット&ウェンディ夫妻が運営しています。季節に合わせて蜂の巣箱を移動させ、マカダミアナッツ、オヒアレフア、ウィレライキ(クリスマスベリー)など、ハワイならではの花の単一蜜を中心に製造。 個性的なフレーバーハニーもラインナップ。