2021 06.01 tue

コロアラム代表
ボブ・ガンターに聞く
唯一無二の酒造り~後編

Hawaiian Sugarcane and Mountain Water
Koloa Rum’s One and Only Rum Making #02
KOLOA RUM

前回に引き続き、カウアイ島「コロアラム」の代表ボブ・ガンターにお話を聞いています。
アルコールに変わる成分「スクロース(ショ糖)」含有率の高い上質なハワイ産さとうきびの砂糖、豊富な雨が降り、火山土壌で濾過されるワイアレアレ山の水、そして発酵を助ける酵母を使って、コロアラムのラム酒は製造されています。
「蒸留するのは、この1210ガロン入る銅製の蒸留器を使うよ」
1210ガロンは、換算するとじつに4580リットル。アメリカ本土ペンシルバニア州、フィラデルフィアの『リバティコッパースミス』という会社で作られたもので、製造は1947年だといいます。2001年頃まで別の蒸留所で使われていたものが、縁あって2008年にボブたちの蒸留所にやってきました。

本格焼酎とお友達

「この蒸留器で、2回蒸留する。1回でもなく、3回でもない。2回だとうまい具合にフレーバーも残しつつ、クリアでスムースな味わいに仕上がるんだ」
コロアラムの製造工程は、いわゆる「単式蒸留」。伝統的でアナログな蒸留方法です。これに対して工業的な製法が「連続式蒸留」。蒸留器がいくつも入った連続蒸留機を使うもので、高いアルコール度数のお酒を大量に生産できます。ただし、フレーバーがあまり残らないのが特徴。そのため日本でも「本格焼酎」と呼ばれる焼酎は、コロアラムと同様の単式蒸留でつくられています。

蒸留器の銅には理由がある

しかし、お酒づくり用の大きなタンク、というとステンレス製を思い浮かべることが多いと思います。なぜコロアラムでは銅製の蒸留器を選んだのでしょう?
「確かに、ステンレスや鉄製の蒸留器を使っているメーカーも多い。でも、蒸留中に発生する硫酸塩という成分を中和するために、鉄やステンレスの場合も素材にいくらかの割合で銅を含んでいる必要があるんだ」
100%銅製の蒸留器から生まれるコロアラム。製造過程で二日酔いの原因のひとつとされる亜硫酸塩が発生しないというのですから、左党には思ってもいない朗報です。
「蒸留してできたお酒は最初の何ガロンか、そしてさらに最後のいくらかを廃棄する。もったいなくはあるけれど、この『ヘッド』と『テール』には、味に悪影響を及ぼす好ましくない成分が含まれているんだよ」
ハワイでラムが作られるようになったのは、さとうきびプランテーションが盛んになった1830年代。しかしその以前から、「ティー」という植物の根を発酵させた「オコレハオ」というお酒があったとボブが教えてくれました。人の輪があるところ、アルコールあり。お酒で世界旅行というのもいいかもしれません。

photo by Koloa Rum

BRAND ブランド紹介

KOLOA RUM
コロアラム カウアイ島

2009年創業、カウアイ島のラム蒸留所。希少なハワイ産のさとうきびと地元ワイアレアレ山の天然水を原料に、メイドインハワイにこだわったお酒造りをしています。定番のホワイトラム、ダークラムはもちろん、天然香料を使った上品な香りのココナッツラムや、カウアイ島産のコーヒーをブレンドしたコーヒーラムなど、ハワイならではの味も魅力です。