たかがデザイン?されどデザイン?
食品だったら中身がおいしければOK!とは言えども、やっぱり素敵なパッケージの商品は自分用にもギフト用にもうれしいものです。中でもオアフ島でタロイモチップスやBBQソースを製造する、ハワイアンチップカンパニーのパッケージは秀逸。ポップなイラストの中に、よく見るとストーリーが浮かび上がっているようで、イラスト違いでいろいろなフレーバーを揃えてみたくなってしまいます。
「ラベルのデザインを手掛けてくれたのは、デイビッド・ヤナザキっていうデザイナー。ハワイアンチップカンパニーのブランドロゴも作ってくれた人物だよ」
オーナーのジミーがそう教えてくれます。
「まず、商品についてのコンセプトを出す。僕がアイデアを出すことがあれば、デイビッドのひらめきがスタートのときもある。それを段々と形にしていく感じだね」
溶岩の海を乗り越えよ!
ブランドを代表する商品「キラウエアファイヤ―BBQソース スパイシー(写真右)」。さまざまな野菜の旨みの中に複雑なスパイスの味が際立ち、かなりパンチのある味わいです。
「このときは僕がデイビッドにアイデアを提案したんだ。ラバとカヌーで行こう、って」
ラバとはハワイ語で溶岩のこと。背後にある火山から噴き出した溶岩が海となり、古代ハワイの戦士の姿をした彼がカヌーでそれを越えていく様子が見てとれます。ソースのスパイシーさを溶岩で表現、なんともハワイらしい発想です。対して「キラウエアファイヤ―BBQソース マイルド(写真左)」はというと、アロハを着たカウボーイがヤシの木の下ですやすや眠っています。
「うちのBBQソースは、どちらかというとアメリカ南部のBBQソース寄りの味わいだから。それをイメージさせるカウボーイを採用したよ」
若干マイルドなソースの味わいを表現するため、カウボーイに居眠りをさせたとジミーは言います。
日本を代表するあの山も…?
「デイビッドが忙しくなって、一時期からはキャミーという女性にもデザインを手伝ってもらっているんだ」
彼女が手掛けたのが、ハワイ現地で人気のチップス海苔フレーバー。そこに描かれているのは、我らが富士山です。
「僕が日本に行ったときに、富士山の近くまで行ったんだ。残念ながら天気が悪くて当日は山を見られなかったんだけど(笑)、そのときの景色をベースにアイデアをキャミ―に伝えたよ。現地ロコにもわかりやすく日本のイメージを伝えるには、やっぱり富士山がぴったりだと思ったからね」
富士山の前に広がる湖にスタンドアップパドルを楽しむ人を描いたというデザイン。次回ハワイに訪れた際にはぜひ探してみてください。