マノアチョコレートは、オアフ島カイルアにあるクラフトチョコレートメーカー。地元ハワイ産のカカオをはじめ、世界中から厳選した良質なカカオ豆を原料にチョコレートを製造しています。
「インクルージョン」って何?
彼らのラインナップは、大きく二つのジャンルに分けられます。ひとつは、シングルオリジン。シングルオリジンとは、日本語で「単一産地」。工業生産される一般的なチョコレート菓子の原料には、産地のこだわりなく世界中から安価な豆が集められることがほとんどですが、シングルオリジンチョコレートでは豆の産地を特定しているのが特徴。まるでワインのようにその豆本来の味を最大限に生かすため、焙煎にまで気を配って製造されています。もうひとつのジャンルが、インクルージョンバーと呼ばれるライン。「Inclusion」とは直訳で「含有、包括」などを意味し、カカオニブ、ココアバター、砂糖以外の原材料が含まれるものを指します。マノアチョコレートの人気商品、クラッシュしたカカオニブとコーヒー豆がトッピングされた「ブレックファーストバー」もインクルージョンバーのひとつです。
ソムリエのひらめきで
そんなインクルージョンバーの中でも、熱狂的なファンをもつのが今回ご紹介する「アリイクララベンダー」。カカオ60%のダークミルクチョコレートに、その名の通り華やかなラベンダーが香るユニークな一品です。
「ソムリエをしてる友達がいるんだけど、あるとき彼が僕のところにマウイ島クラ産の乾燥ラベンダーを持ってきて、チョコレートに合うと思う、って言うんだ。それで早速試作してみたら、スタッフの中でも大好評だったんだよ」
オーナーのディランはそう話します。作り方は至ってシンプル。チョコレートの原材料であるココアバターに乾燥ラベンダーを浸して香りを移すのです。
「ラベンダーオイルも試してみたんだけどうまくいかなくて。ラベンダーの蕾を乾燥させたものを使うのがベスト、ってことになったんだ」
ピノ、ガメイ、IPA
香料を添加しているわけではないので、華やかながらとてもナチュラルな花の香り。重層的なカカオの旨みの中にラベンダーのアロマが混ざり合って、なんともいえない贅沢な味わいをつくりあげています。マノアチョコレートでは、チョコレートとワインやビールのペアリングをすすめていますが、ラベンダーバーに合うお酒はなんでしょう?
「ピノノワール、ガメイあたりの赤ワインがぴったりだね。ビールだったらホップの香り高いIPAなんかと相性がいいと思うよ」
ソムリエのアイデアから生まれたチョコレートを、ワインと合わせて楽しむ。そんなささやかながらもとっておきの贅沢を、楽しんでみてはいかがでしょうか。