ハワイのコーヒーといえば、ハワイ島のコナコーヒーやカウコーヒーを思い浮かべる人がほとんどではないでしょうか?
ハワイ島のBig Island Coffee Roasters(ビッグアイランド・コーヒー・ロースターズ)は、コーヒーで有名なコナ地区、カウ地区から遠く離れたハワイ島東岸のプナ地区でスタートした異色のコーヒーカンパニー。にもかかわらず、米の「コーヒーレビュー」での高評価や、ホノルルマガジンの読者が選ぶベスト・オブ・ホノルルの「ベスト・ローカル・コーヒー・カンパニー」など数々の受賞歴を持つ人気のコーヒーブランドです。
自給自足の生活から、努力が実って「プナコーヒー」を有名に!
2010年にオレゴン州・ポートランドから、このプナ地区のコーヒー農園を購入してハワイ移住を果たした共同創業者のケリー・スチュワートとブランドン・ヴォン・ダミッツ。若き二人が3エーカーの無名のコーヒー農園を前オーナーで引退希望の高齢ボブから家つき、ビジネス付き、ローンはボブが組んでくれるという特別待遇の条件で買取りを決意して移住したのは、ブランドンがインターネットで運命的にこの不動産広告を見たわずか半年後のことでした。
生物学のバックグラウンドを持つケリーと有機農業の経験を持つブランドンは、ボブが残した大量のガラクタを片付けながら、自給自足の生活をし、花の卸販売でなんとかボブへの借金を返済する日々。コーヒーに関しては素人だった二人は、世界最大食品・飲料メーカーのネスレが作成した「コーヒー農業のマニュアル本」を手に、木の栽培から加工・焙煎を学んでは研究し、キラウエア火山近くで溶岩洞とボルケーノロックの上にあるユニークなコーヒー農園を数年かけて立て直していきました。
転機が訪れたのは2013年。自分たちで作ったプナコーヒーをハワイ州ステートワイドカッピング競技会に初出品し、なんとグランドチャンピオンに輝いたのです!これは二人にとって大きなサプライズでした。なぜなら今までこの競技会でチャンピオンを勝ち取ってきたのは、コナコーヒとカウコーヒーのみだったから。
コーヒー生産地として全くの無名だったプナを一躍有名にし、ハワイ州の上院議員から証明書を授与されたケリーとブランドンは、ハワイのコーヒービジネス界の新星ロックスターとなりました。そして、同年、スペシャルティコーヒーブランド「ビッグアイランド・コーヒー・ロースターズ」が誕生したのです。

ハワイの美しい自然や場所を守るために、そして地元コーヒー産業を育むために
ケリーとブランドンは、コナコーヒーの人気の影に隠れてスポットライトが当たらない地元農家のコーヒーを試飲しては発展に寄与し、ハワイで直面している偽コナコーヒー問題や農家に放棄される収穫物、原生の土地の軽視など様々な根深い問題に取り組んでいきました。
そしてプナの自社農園だけではなく、地元農家たちのコーヒーも購入してブレンドし、ビッグアイランド・コーヒー・ロースターズの名の下で自家焙煎したコーヒーの数々は、世界でも高い評価を受け、ハワイで最も多くの賞を受賞したスペシャルティコーヒーロースターとなったのです。

現在は、ハワイ島ヒロにフラッグシップカフェ兼焙煎所を本拠地に置き、20人以上のチームを抱えるまでに成長したビッグアイランド・コーヒー・ロースターズ。地元コーヒー産業を支えるとともに、少量焙煎にこだわり、フレッシュで美味しいハワイ産のクラフトコーヒーを、日々世界に送り届けています。





