2019 03.15 fri

海水で育つ海の野菜
「シーアスパラガス」
不思議な自然由来の塩気

Salty Salt-Free Vegetable
Sea Asparagus from Kahuku, Oahu
OALAKAI HAWAII

ひと口食べると、みんながみんな目を丸くする野菜があります。「シーアスパラガス」と呼ばれるその農作物は、海水で育つ“海の野菜”。体内に海水を取り込んで大きくなるため、自然由来の塩気をもっています。

上海生まれ、ウェンハオの情熱

「表面は全然しょっぱくないんだよ。なめてみて。ほらね。で、噛み切るとしょっぱい味がするでしょ。中に海水の栄養分が含まれている証拠だよ」
うれしそうにそう教えてくれるのは、シーアスパラガスを15年以上研究しているウェンハオ・サン。中国・上海出身の彼は1996年にハワイに渡り、ハワイ大学でリサーチを続けてきたドクターです。地上の畑の代わりに海水を使うことで農業の未来を変えたい! という夢をもつ情熱的な紳士です。

ケールの10倍のミネラル! 次代のスーパーフード

シーアスパラガスは、和名「アッケシソウ(厚岸草)」。食用ではありませんが、北海道でも自生しています。ナトリウム、カルシウム、ヨウ素、マグネシウム、銅、ビタミンA、B2、C、鉄、カリウム、食物繊維などが豊富。塩気はミネラル由来のもので塩分値自体は低いのが最大の特長です。ある研究結果によると、そのミネラル含有量はケールの10倍とも。ウェンハオはこのシーアスパラガスを乾燥させてパウダー状に加工したものを販売。塩分を控えている方向けの商品としても重宝されています。

きれいな水に舞い降りた、天からの贈り物

海水を引き込んだ腰ほどの深さの池で、シーアスパラガスを水耕栽培しているウェンハオ。育て始めてしばらくすると、なにやら水中に黒い影が……。
「『オゴ』という海藻だったんだよ。植えてもないのに自然に生えてきた。シーアスパラガスは水中の藻を取り除いてきれいにする力を持っている。そのおかげで水の中にまで太陽の光が届いたことで、オゴが育つようになったみたいなんだ」

いまでは、このオゴも収穫、出荷。まさに天からの贈り物だよ!と話すウェンハオは、還暦を過ぎてなお少年のような笑顔です。その素敵なスマイル写真はまた次の機会に。


BRAND ブランド紹介

OALAKAI HAWAII
オラカイハワイ オアフ島

オアフ島・ノースショアのカフクでウェンハオ・サン博士が研究、生産する農産品のブランド「オラカイ・ハワイ」。海水で育てられるシーアスパラガスで知られています。自身のもつ自然由来の塩味が特徴で、その高い栄養価でも注目を集める次世代のスーパーフード。その根元に自然発生的に生息を始めた「オゴ」という海藻も生産、販売しています。