2018年に自身のブランド「コナ・ナチュラルズ」を立ち上げた、ダグラス・マッカーナ。初めて出品したコナコーヒーのコンテストでは、ナチュラル製法で仕上げた看板商品が、第4位に。そして、70以上の応募商品のなかでトップに輝いたのは、同じくダグラスが手がけた、ゲイシャ種のナチュラルコーヒーでした。
1年の“隔離”を経て
「2016年に、サンフランシスコのコーヒーショップで1杯25ドルで販売しているコーヒーがある、という記事を読んだんだ。それがゲイシャ種だった」
この名前を聞くと、日本人は「芸者と関係があるの?」と思ってしまいますが、じつはネーミングの由来は、地名。原産地であるエチオピアのゲシャ地方にちなんでその名がついたといわれています。
「1940年半ば、ゲイシャの種が、エチオピアからコスタリカにわたった。そしてそれが、1960年代にパナマに伝わったといわれている」
資料によると、ゲイシャはコーヒーノキがかかりやすい病気への耐性が強いんだそう。それもあり、この種を育てようとした当時のファーマーがパナマに持ち込んだといわれています。
「2015年、僕はパナマの農園にコンタクトをとって、ゲイシャの種を譲り受けることに成功したんだ」
しかし、ここからか大変。厳しいハワイの検疫のため、持ち込まれたゲイシャの種は、施設で1年間隔離されることを余儀なくされました。
「2016年、やっとコナの畑に持ってきて、植えることができた。そうして、やっとの思いで収穫したコナ産ゲイシャ種を、ナチュラル製法で加工。それがコンテストで1位をとったんだから、感慨もひとしおだよね」
焙煎はほどほどに
ゲイシャ種の味の特徴は、フルーティーかつ複雑な味わいとアロマ、そして口当たりだと、ダグラスは話します。
「焙煎は、ミディアムローストが理想だね。あまり深い焙煎にしてしまうと、せっかくの風味を台無しにしてしまうから」
ハワイ島コナ産、エチオピア原産ゲイシャ種の、ナチュラル製法。こんな条件で仕上げられたコーヒー豆、きっとほかでは出合えません。