「今日の燻製料理はちょっと踏み込んで、2種類のチップを使ってみよう。同じ食材をスモークしてみて、どんな違いがあるか実験だよ!」
前回から引き続き、お付き合いいただくのは元ハワイアンレストランのシェフ、ボビー青木さん。本日もやる気がみなぎっております。
定番キアヴェと、色白グァバ
ひとつ目のスモークチップは、「キアヴェ」。ハワイで燻製といえばこれ、という定番のチップで、串に刺した丸鶏をゆっくりと回しながらスモークする「フリフリチキン」という地元の人気料理に使われているのもこれなんです。「キアヴェスモークソルト」という、燻製塩も複数のブランドから販売されており、これを振りかければ簡単にキアヴェスモーク風味が味わえてしまうというもの。こんな商品があるところからも、ハワイの人たちのキアヴェ愛が感じられます。対してもう一方は、「グァバ」のチップ。 グァバというと甘酸っぱい果実を思い浮かべる方が多いかと思いますが、まさにその木の部分です。キアヴェに比べると色白な印象で、一般には魚料理に合う繊細な味だとされています。
独特なグァバの真骨頂!
用意した食材は、牛肉、豚肉、サーモン、サバ、はんぺん、かまぼこ。肉には塩胡椒、魚には軽く塩を振り、先に両面を焼いておきます。それ以外の食材はそのまま、金網の上に並べていきます(詳しい「おうちスモーク」のやり方は前回の記事をどうぞ)。
「いい匂い! もう待ちきれないよ! 早速いただきます」
まずはキアヴェスモークの牛肉をひと口。キアヴェの力強い風味が牛肉を包み込み、味のバランスが絶妙です。豚も同様で、肉と相性がいいと言われる理由がよくわかります。しかし…
「肉とグァバ、ちょっと微妙かも…」
ボビーさんの言葉を受けて食べてみると、確かに、樹液を思わせる独特なグァバのフレーバーが、キアヴェに比べると肉にあまりマッチしていないように感じます。
「これが、繊細な魚の味わいに合うのかな…」
疑心暗鬼でサバをひと口。すると、魚介類独特の脂がグァバと驚くほど相性がよく、その料理としての完成度に一同驚愕です。
「サーモンもうまいね! 原料が魚だからか、はんぺん、かまぼこもいい感じ」
私たちの実験結果は、通説に違わず肉はキアヴェ、魚は断然グァバ、というものでした。あなたはどうでしょう? ぜひ一度、ご自身の舌で確かめてみてください。