ハワイに現存するもっとも古いマカダミアナッツチョコレート工場「メネフネマック」。多くの競合がひしめくなかでメネフネマックの価格は少々高めですが、そのクオリティの高さから指名買いするロコは多いといいます。ものづくりに対するこだわりについて、前回から社長のニール・アラカキの思いをご紹介しています。マカダミアナッツの選び方に引き続き、今回はチョコレートのお話です。
マッチングが命
メネフネマックが使うチョコレートは、メネフネマックの工場で一から作っているわけではありません。チョコレートメーカーから仕入れています。とお伝えすると、がっかりする読者もいるかもしれません。でも、マカダミアナッツチョコレートのメーカーで、カカオからチョコレートを作っているブランドはまずありません。しかしそれは彼らの怠慢ではなく、仕事の分業。カカオ選びからこだわってシンプルなチョコレートバーを作るビーントゥバーのメーカーとは完全にジャンルが異なるのです。マカダミアナッツチョコレート工場は、最適なナッツとチョコレートを選び、このふたつを一番おいしい形で融合させる。それこそがお仕事なのです。
アメリカンスタイルとは?
「うちではいま、商品によってふたつのメーカーから仕入れたチョコレートを使い分けているんだ。どちらもアメリカンスタイルのチョコレートだよ」
アメリカンスタイル? どういうチョコレートのことをいうのでしょうか。
「カカオの粒子がとても細かいヨーロッパや日本のチョコレートに対して、アメリカンスタイルのカカオ粒子は少し大きめ。なので、口の中でより長く味わいが残るんだ」
そんなアメリカンスタイルのチョコレートの中でも、メネフネマックではかなりランクの高いチョコレートを採用しているといいます。
同じ砂糖の量でも…
並々ならぬこだわりでハワイ産マカダミアナッツと上質なチョコレートをセレクトしたら、いよいよ製造。メネフネマックではハンドメイドでチョコレート菓子をつくっています。
「チョコレートを扱うときにとても重要な『テンパリング』という作業。機械でやると温度が急激に下がって砂糖の結晶が大きくなりがちなんだ」
すると、口に入れたときにまず砂糖の甘みを感じてしまう。ですがハンドメイドのていねいなテンパリングをおこなうと、砂糖の粒が小さく仕上がるので、同じ砂糖の量でもカカオ本来の味をより強く感じられるそう。小さなマカダミアナッツチョコレートの中に、さまざまな哲学が詰まっているのです。