前回そのすばらしさをご紹介した、「コナディープシーソルト」。ハワイ島コナ沖約670mからくみ上げた海水からつくる、ミネラル豊富なナチュラルソルトです。今回はこの塩を使って、ちょっと贅沢な実験をしてみたいと思います。「下味に使う塩で、肉の味はどう変わるのか?」。肉はスーパーで手に入る鶏もも肉と豚ロース肉。塩は、我らがハワイ産「コナディープシーソルト」、大手食料品販売店の「ヒマラヤンピンクソルト」、スーパーでパック販売されている「食塩」、そして赤いキャップでおなじみの「食卓塩」の4種類を用意しました。これらの塩を、鶏もも肉と豚ロース肉の両面に十分すり込んだら数分おき、両面をこんがりと焼きます。
角のある塩味「食卓塩」「食塩」
食卓塩と食塩を使った肉は、味に大差はありませんでした。口に入れるとどちらもダイレクトに伝わるがつんとした塩味。角のある印象です。「食卓塩」は、精製されて約99%まで塩化ナトリウム値を高めた塩。さらに炭酸マグネシウムを添加して常にさらさらの状態を保つように加工されています。一方今回使用した「食塩」はというと、イオンの性質を使用して濃度の高い塩水を作り、この水分を蒸発させてつくったもの。塩化ナトリウム値は96%でした。
海から山へ「ピンクヒマラヤンソルト」
「ピンクヒマラヤンソルト」のナトリウム値は、一般的に80%ほどで食卓塩や一般的な食塩よりかはだいぶ低く、その分ミネラル含有率が高いのが特徴です。肉の味は…、これまでとはまるで違います。塩味はおだやかで、その分旨みを感じます。わずかにスモーキーな燻製のようなニュアンスもありました。
旨みと甘み「コナディープシーソルト」
そしていよいよ「コナディープシーソルト」。口に含んで、驚きました。塩味がおだやかでやさしく、旨みとのバランスがいいのはもちろん、さらに奥に甘みさえ感じるのです。ほかの調味料を何ひとつ使っていないのに、非常に重層的な味わい。これにはやはり、含まれるミネラル成分が大きく関係していると考えられます。というのも、コナディープシーソルトに含まれる塩化ナトリウムは、一般的な食卓塩のじつに3分の2。それ以外はミネラル成分なのです。さらに調理時に印象的だったのは、肉へのなじみの良さ。食卓塩はさらさらに仕上げられている分なかなか溶けないのですが、コナディープ シーソルトは塩自体の水分量が高いので、粒子が粗くてもすぐになじんで溶け込みます。
比較してみて改めて感じたコナディープシーソルトの実力、それは想像以上のものでした。