「コロナが世界中で広がった直後、売り上げは80から90%は下がったわ」
マウイ島クラの高原地帯でジャムやシロップ、マスタードをつくる「マウイアップカントリー」のジャンは、パソコンのモニター越しにそう話します。ハワイに行けなくなって10カ月以上。1時間半にわたってオンラインで近況を聞いたインタビューからお届けします。
売上の大半は…
パッションフルーツを使った濃厚なスプレッド「リリコイカード」や、マウイ島クラだけで収穫されるマウイオニオンを使った「マウイオニオンガーリックマスタード」など、マウイアップカントリーの商品はファーマーズマーケットでも人気でした。島を訪れる日本人観光客のファンも多かったといいます。
「でも、大口の販売先はハワイ内の飲食店や小売店。コロナのパンデミックが起こってからはみんな休業せざるを得なかったから、そりゃ売り上げはなくなるわよね」
オンラインでも販売をおこなっていますが、その売り上げは微々たるものだといいます。
「ハワイは家賃が高いから。店舗をリースしているほとんどのオーナーは、もう家賃が払えなくてクローズしちゃうところも珍しくないわ」
自らの工房である建物を購入していた私はラッキーだった、とジャンは話します。
少しずつ売り上げは戻れども
2020年11月から、72時間以内の陰性検査結果があれば14日間の隔離なしで観光客の受け入れを再開したハワイ(2020年12月現在)。
「ちょっとずつお店も開き出したからね。徐々に卸の発注も再開しつつあるけれど、1回のオーダーのボリュームが少なくって。しかも注文したものは、『いますぐ!なるべく早く納品して!』って言われちゃうもんだから、なかなか大変よ」
少量製造するということは、1種類終わったら機材を洗浄してまた次の商品を製造、となるのでかなりの労力がかかります。それに原料の仕入れも、大きなボリュームで仕入れられないのでどうしても割高に。とはいえ店舗側もぎりぎりのところで営業を再開しているわけですから、誰を責めるというわけにもいきません。それでも、畑のフルーツや製造の様子をSNSに投稿したりと、前向きなマウイアップカントリー。
「WEBサイトもリニューアルするの!」
もうすぐ65歳を迎えるジャン。少しは彼女のパワーを見習わないと、そう強く感じたインタビューでした。