収穫の秋。みなさんは何を思い浮かべるでしょうか? 新米、きのこ、柿、栗…。日本から約6600キロ離れたハワイでは、コーヒーの収穫が本格的になってくる時期です。
お花から7カ月、収穫は最長8カ月
コーヒーの花の開花が始まるのは、畑のロケーションにもよりますがおおよそ冬、年明けのころ。枝一杯に小さな白い花をつけるのですが、そこからじつに7カ月もの時間をかけて、コーヒーチェリーは写真のように赤く、品種によっては黄色く色づきます。コーヒーの収穫の難しいところは、実が一斉に熟さないということ。ひとつの枝から、ちょうどいいころ合いのものを見極めて収穫しなければならないのです。
「熟した実をきちんと選別しながら収穫できるようなマシンで、私たちの畑にフィットするものがまだなくて。いまはすべて手摘みで収穫しています」
ハワイ島南部カウ地区でコーヒー農園と焙煎所を営む、ラスティズハワイアンのジョアンはそう話します。収穫時期は、私たちが「旬」という言葉から想像するよりはるかに長い期間。
「ここカウ地区では、最長で8カ月もの間収穫ができるの。時期は標高によって変わるわ。最も低くて気温の高い畑は7月くらいに収穫が始まるけど、山の上はもう少し後。その分翌年の6月くらいまで収穫が続くのよ」
コーヒー収穫は長期戦です。
味の決め手はコーヒーチェリー
「期間中、だいたい2、3週間に一度畑に出て熟した実だけを収穫するの。数週間後にまた収穫にいくと、若かった実がちょうどよく熟しているわ」
実が若いと草っぽくて青臭く、熟しすぎるとお酢や痛んだフルーツのような味のコーヒーになってしまうといいます。私たちがよく知る「コーヒー豆」は種子の部分ですが、その周りの果実の成熟具合が味の決め手となるのです。
「収穫は大体朝8時から午後3時半くらいまでね」
なんとも健康的な勤務時間だと思っていると…
「収穫の後も、ミルでの作業があるのよ。特に集めたチェリーの選別作業には時間がかかるわね。夜11時くらいまでかかることも珍しくないわ」
収穫を始めた今年のコーヒーの味はこれから確認するそう。レポートが届き次第また皆さんにシェアしたいと思います。
photo by Rusty’s Hawaiian