「私はカリフォルニアで新聞記者をしていたの。夫のラルフとはジャーナリズムを専攻していた大学院で出会ったんだけど、彼も以前は新聞記者。その後テレビのスポーツキャスターとして働いていたのよ」
ハワイ島「ラスティズハワイアン」のジョアン・オブラが語るのは、現在の「コーヒー農家」という生業とは180度違った経歴でした。
ふたり違うから、ふたり支えあう
2006年、創業者の父・ラスティが急逝したこともあり、2011年には母ローリーのいるハワイ島南部パハラへと移住したふたり。とまどいはなかったのでしょうか。
「企業の社員から自営業に職を変えるのは、確かに大きな決断だったわ。自分が自分自身の上司になるようなものだから」
そう語るジョアンに対し、夫ラルフの答えは意外なものでした。
「とまどいはまったくなかったよ。ここパハラがどれだけ田舎かっていうことを、そのときはまだ理解できていなかったけど(笑)。でも、人生の転換期を迎える準備はできていた、そう思うよ」
収穫シーズンが家族を強く
畑の仕事は母ローリーを中心に、ラルフもヘルプ。ジョアンは主にマーケティングを担当。記者だった経験も活かし、コーヒー栽培の様子や商品について、SNSなどで広く発信しています。
「でも収穫シーズンになれば、総出で豆の精製をするわよ。コーヒーの果実から豆を取り出すこの工程はとても重要。これを全員でやることが、私たち家族の結びつきを強くしているとも言えるわね」
ふたりの旅は、続くよ続く
週に3回、焙煎も担当しているラルフ。コーヒーのお仕事は、実際どうですか?
「僕にとってコーヒーは、『新しい始まり』、そんな感じなんだ。これまではいろいろなスポーツをプレイして、大好きで、ジャーナリストとしてそれを人に伝えて。もうそれが人生の一部だった。でもコーヒーについては本当に一から学ばないといけなくて、それが自分にとってはとても楽しい挑戦になってるよ」
この前向きな姿勢、見習いたい! そしてジョアンも続けます。
「コーヒーは、世界共通言語。これさえあれば、どこに行って誰とでも友達になれちゃうわ」