「このはちみつ、なんでこんなに固まってるの?」
ハワイ産「オヒアレフアハニー」を販売していると、随分な確率でこう聞かれます。お客さまがそう感じるのも無理はなく、真っ白な美しい蜜は、結晶化してかなり固いテクスチャー。一般的にはちみつと呼ばれているものとは一線を画します。
スタッフ人数を倍に増員!
「オヒアレフア」は、ハワイの固有種。火山の溶岩が大地を覆ったあと、まず最初に芽を出す非常に生命力の強い植物です。その花の蜜だけを集めてつくられるのが、オヒアレフアハニーなのです。
「すべてのナチュラルハニーは結晶化する性質をもっているけれど、レフアハニーは特にそのスピードが早いの。この蜜が結晶化して蜂の巣の中で固まってしまう前に瓶詰めを終えるために、夏の時期にはスタッフの人数を倍に増やすのよ」
ハワイ島で無濾過・非加熱のはちみつを生産する「ビッグアイランドビーズ」のウェンディはそう話します。
ブドウ糖にもいろいろある
生はちみつの中でも特に結晶化しやすいオヒアレフアハニーの性質は、その含有成分に起因します。
「ブドウ糖、果糖、ショ糖などさまざまな成分が含まれているのだけど、オヒアレフアハニーは特にブドウ糖の割合が高い。これが結晶化の要因よ」
スーパーで「はちみつ」と呼ばれ比較的安く販売されているものの原材料表示を見ると、これら糖類の名前を見かけることも多いですが、それは人工的に添加されたもの。ウェンディが言うのは、はちみつ自体にもともと含まれているナチュラルな糖類です。
はちみつ、スロークッキング
「やわらかく、扱いやすくしたければ、太陽の光に当たるか、もしくは湯せんで。電子レンジはあまりおすすめしないわ。熱くなりすぎるとせっかくの有効成分を壊してしまう可能性があるし、なんといってもこのはちみつ特有の食感をだいなしにしてしまうから」
安価な商品は結晶化せず扱いやすいですが、それはさまざまな添加物によるもの。ナチュラルハニーをただ「扱いづらい」と思うのではなく、そのありのままの自然な姿に敬意を払いつつ、ゆっくりとお料理してみるのも一興です。