イベントで試食販売をすると、驚くようなスピードで売れる商品があります。「パッションフルーツマスタード」と、それをベースにした「パッションフルーツドレッシング」。カウアイ島ワイメアに工場兼店舗を構える、「アンティリリコイ」の商品です。ハワイで「リリコイ」と呼ばれるパッションフルーツ。甘ったるさはなく、特有のさわやかな風味がさりげなくマスタードに加わることで、ほかにはない絶妙な味わいを生み出しています。「肉以外には、どうやって使えますか?」。この質問を受けると、待ってました!とばかりに思わずにやりとしてしまいます。だって、びっくりするくらい万能なんです、この子たち。
既成概念をとっぱらえ!
一般的なマスタードのように、もちろんステーキやベーコンにはばつぐん。パッションフルーツのさわやかさが肉の臭みや油っぽさを中和してくれるので、一度使い始めたらむしろほかのマスタードには戻れません。さらに、このフルーティな風味が鶏肉や白身魚にもぴったり。通常のものだとマスタードのインパクトが勝ってしまいがちですが、パッションフルーツマスタードならベストマッチ。冒頭の写真のようにパテにたらして、オードブル風に仕上げるのもおすすめです。オーナー夫妻のだんな様、トニーにもレシピを聞いてみると、「あるシェフが、チキンにパッションフルーツマスタード、小麦粉、もう一度マスタード、そしてパン粉を付けてフライにしてくれたことがあったんだ。揚げることで風味が変化しておもしろい! しかも独特のフレーバーはうまい具合に残っていておいしかったよ」。つなぎと下味、一石二鳥というわけです。
ドレッシングとは名ばかりで?
このマスタードにオイルとビネガーを加えて仕上げたのが、「パッションフルーツドレッシング」。マスタードに比べさらさらしていて、使い勝手はばつぐんです。ドレッシングという名前ではありますが、前出のマスタードのようにお肉に合わせてももちろん美味。エビなどのシーフードを和えてもいいし、もう本当に活躍の幅が広い! 「白身魚にこのドレッシングを少したらして蒸してもおいしいよ。ドレッシングにお酢が入っているので、これが蒸し料理でいい仕事をするんだ」。トニーのアイデアレシピ、試さずにはいられません。
※2020年夏、ブランドは新オーナーのメリッサ&ジム夫妻に引き継がれました