ハワイの人って本当「スモーク」好きだな、って思います。スモーク=燻製。ベーコン、ソーセージはもちろん、ステーキも燻製の香りをまとわせてから焼き上げるし、スーパーではスモークフレーバーのお塩が何種類も並んでいます。おやつやお酒のお供として人気のナッツ類も、燻製して味わいを増したものがたくさん。さながら、「日本人の発酵食好き」。そんな感じで、ハワイの人たちは燻製食品にSo in Loveなのかもしれません。
ハワイの燻製といえば、これ
もちろんアメリカ本土でも燻製は大人気ですが、ハワイならではのスモークフレーバーといえば、なんといっても「キアヴェ」です。キアヴェというのはハワイ語で、一般的には「メスキート」と呼ばれるこの樹木、独特の力強い香りが特徴です。「KIAWE」。「WE」は「ヴェ」と読みます。ハワイに訪れたら、注意してこのスペルを探してみてください。驚くほどさまざまな場所で目にすることができるはず。ハワイの定番料理「フリフリチキン」に使われているのも、このキアヴェのスモークチップです。
ジュースやお菓子だけじゃないんです
もうひとつハワイで人気なのが、「グァバ」のスモークチップ。その甘酸っぱい果実のフレーバーを生かした、ドリンクやお菓子、ジャムなどをイメージされる方が多いと思いますが、幹の部分は燻製にぴったり。ほんのりと甘い香りで、素材の味を引き立てる名脇役です。キアヴェが家族を引っ張るたくましいお父さんなら、グァバは家族を丸く調和させるお母さん、でしょうか。現地ではこのグアバスモーク専門店もあるというから、その人気のほどがうかがえます。
じつはハワイの厄介者?
最初にご紹介したキアヴェ、じつはとっても生命力が強く、ハワイ中でぐんぐん育ってしまう元気な子。中には雑草的にいまいましく思っているロコもいるのが現実です。それを間伐した木材を使い、スモークチップ、さらにはチャコールを生産しているのがオアフ島ワイマナロにある「キアヴェハワイ」。ほかの炭製品に多く使われているような、化学薬品や石油系の薬剤は使用していません。
製品の向こう側にある、リアルなハワイの人々の生活事情。そんなことを想像してみるのも一興です。