Beer Labの根本にあるのは、繰り返しの積み重ねだ。
もともとは純粋な実験から始まった。いろいろ試して、限界を押し広げるようなやり方だったが、今はもう少し焦点が定まってきている。ただ、その考え方自体は変わっていない。
ひとつのビールが「完成」と呼べる状態になるまでに、何十回も調整が重ねられることもある。モルトの配合、酵母、ホップの組み合わせ。そうした細かな変更を少しずつ積み重ねていき、最終的に目指すのはバランスだ。
その考えが最もよく表れているのが「オマカセシリーズ」だ。多くの人にとっては単なるヘイジーIPAだが、内部的には何年にもわたる調整の結果で、現在の形に至るまでに50回以上のバリエーションが重ねられている。
※オマカセついては、こちらからどうぞ。
「おまかせ!」という名のクラフトビール。BEER lab.”OMAKASE”
Beer Labがコアバリューにするもの
Beer Labの社長であるニック・ウォンにとって、醸造は極端さを競うものではない。一番苦いビールを作ることでもなければ、ホップをとにかく詰め込むことでもない。重視しているのは、あくまでバランスだ。

そこには計算や工程、安定性といった技術的な側面がある一方で、もう少し言葉にしにくい部分もある。直感や感覚。同じレシピで作っても、完全には再現できない部分だ。
その考え方は、個々のビールにとどまらない。
Beer Labは特定のスタイルや方向性に縛られない。トレンドは変わり、飲み手の好みもIPAからサワー、ラガーへと移り変わっていく。その中でも、自分たちの軸を崩さずに柔軟に対応していくことを大切にしている。
流行を追うことよりも、ビールが人々の生活の中でどう存在するかを理解すること。特にハワイでは、ローカルとしてのあり方を保つことが重要になる。
By Solario (アーティスト、シセロン資格保持者)
※この連載のコントリビューターであり、アーティストでビールのソムリエ・シセロン(Cicerone)の資格保持者でもあるSolarioについては、こちらからどうぞ。
ビールソムリエ・シセロン有資格者多才なソラリオのアートがおもしろい





