ロサンゼルスで再認識した、地元ハワイの良さ
ハワイで生まれ育ったロコガール、エリカさん。高校を卒業した後、カリフォルニア・ロサンゼルスに引っ越して専門学校でファッションを学びました。
「ハワイが大好きだったけど、何か違うことをしたい、ファッションや世界、多種多様な文化についてもっと学びたいと感じて、LAへ引っ越したの。専門学校卒業後は、大手ファッションブランドに就職していろんな経験を積んだし、有名人やインフルエンサーなど様々な人たちとも関わった。とても刺激的な毎日だったわ。けれど、ある時点で、自分のライフスタイルはロサンゼルスのファッションライフスタイルとは違うと気がついたのよ」とエリカさん。
「そして、ファッション業界にはとても無駄が多いことにも気づいたの。流行にあわせて、捨てられていく素材や生地がものすごい。これは環境に優しくないなと。さらに、さまざまなファッションスタイルや製造技術を学び、いろんな国と協力して製品を作る経験もしたのだけど、縫製工や裁断工などすごい労力をかけてファッションを生み出すのに、その値段があまりに安いことの矛盾も気になってしまって。あまりにアンフェアな状況で、ファストファッションが作られているのが、自分には納得できなくなったんです」。
で、エリカさんは仕事の方向性をがらりと変えることに。故郷であるハワイをイメージした、アロハを感じるブランドを立ち上げたのです。手作りにこだわり、人と環境に優しくあることをテーマとした「スローファッション・ブランド」。それが、ブラックポイントカンパニーでした。
「宝探し」のように、使われない生地をアップサイクル

当初はロサンゼルスでブランドを立ち上げたそうですが、コロナ禍でハワイへ戻ったのをきっかけにハワイを拠点に戻すようになりました。
現在は、年に一度ロサンゼルスへ出向いてデッドストックの生地や素材を見て回り、気に入ったものを仕入れてきてアロハシャツやピローなどを作っています。捨てられてしまうはずだった素材の中には、とても素敵で優しいものがたくさんある。もちろん年によっては気に入るものが少ない場合もあるけれど、それこそ「宝探し」のような気持ちで素材探しをするの、と楽しそうに笑うエリカさん。キュートすぎます。
両親から学んだミックスカルチャーや手作りの魅力もブランドに影響
「私の父はポルトガル人、母は日本とアフリカのハーフなんです。だから家庭内でもいろんなカルチャーがミックスしていたし、それぞれの伝統を大事にしながら成長してきたの。母は手先が器用で洋服も家の中の物も手作りしてくれることが多かった。ていねいに作って、長く大切に使う、という考え方のベースは、そんな生活の中で育まれたのかもしれないわね」。
まっすぐで温かいエリカさんの人柄は、サステナブルでレトロな雰囲気のブランドアイテムたちにもあふれまくっています。アロハシャツはレディースしか作らない、人気のTシャツのスタンプはヴィンテージで「藍染」からスタートしたもの…と、製品へのこだわりも半端なくて聞けば聞くほど驚きがいっぱい!それらの詳細は、また次の機会にご紹介させてください。