ハワイでは最近、実店舗を持たずにオンラインショップやポップアップショップなどでアイテムを販売するローカルブランドが多いように感じます。とくにパンデミック後、その傾向が顕著になっているなあと。
ナイトマーケットで発見したTシャツに一目惚れ
ちょっとレトロな雰囲気が魅力のアロハシャツや、「Aloha Everyday」などのフレーズがスタンプされたTシャツが話題のBLACK POINT COMPANY(ブラックポイントカンパニー)もそのひとつ。私が初めてその存在を知ったのは、たしかワイキキのサーフジャック ホテル&スイム クラブで行われていたナイトマーケットでした。
最初は、Tシャツにスタンプされたアロハなフレーズが気になったことから。そして、そのシャツの肌触りの良さとシンプルながらお洒落なボディのスタイルが気に入って購入したのが「Aloha Everyday」のホワイトTシャツでした。このTシャツ、素材は100%オーガニックの天然コットンなのだそう。たしかにとても着心地がいいんですよね。
そして気になる文字のプリントは、なんと一枚ずつ手作業でスタンプを押しているというから驚き。「ヴィンテージのアルファベット・ウッドスタンプを使って、ひたすら作業するのよ。たくさん作ると腕が痛くなるけど、これが私のこだわりだから」と笑うのは、オーナー&デザイナーのエリカさん。ホノルルにある自宅兼アトリエで、黙々といろんなフレーズのTシャツを作っているんだそうです。

レトロなアロハシャツもアップサイクル!
また、カラフル&レトロなアロハシャツはすべて、アメリカ本土で見つけてくるデッドストック生地を使っているのがこだわり。カリフォルニアでファッションの勉強をして、大手のファッションブランドでも働いてきた経歴を持つエリカさん。「とても楽しかったのだけど、学べば学ぶほど、この業界が環境に悪影響を与えてる側面があることに気づいてしまったの。流行りのアイテムが続々と生産される工程で、いつの間にか不要とされ、捨てられてしまう生地や素材がどんなに多いことか……。だから、そういう生地を再利用して新しいものを作る自分のブランドを立ち上げたいって考えたのよ」とのこと。
そういった想いから、デッドストック生地を独自ルートで購入し、新しいアロハシャツに蘇らせてアップサイクルしているのがブラックポイントカンパニー。信用できる縫製のプロたちと少数精鋭で契約し、カリフォルニアとハワイで製品を手作りしています。
サステナブルなこだわりとともに丁寧に手作りされ、ひとつひとつが「世界に一つ」の作品でもある。だからこそ、なんだか愛着がわいてしまうというファンが多いのかもしれません。かくいう私も、その一人。大量生産とは真逆の、やさしさあふれるTシャツやアロハシャツを、身にまとってみませんか?