オアフ島、ダニエル・K・イノウエ空港のすぐ東側、工場や倉庫の立ち並ぶエリア、カリヒ。数年後にはモノレールの開通も予定されているこの場所で、オレンジや赤、青にペイントされたひときわ目立つ建物群があります。タロイモを使ったチップスや、バーベキューソースで人気の「ハワイアンチップカンパニー」の代表、ジミー・チャンが開発を手掛けるエリアです。
カリヒをオアフの人気観光地に!
「アロハ! 寄ってくれてありがとう。ここは初めて?」「チップスは10分から15分で揚げたてをお出ししますよ」「マウイゴールパイナップルのアイスティー、おすすめ!」
次から次へと来店するお客さん皆に、笑顔で声をかけるジミー。本当にホスピタリティが服を着て歩いているような人なのです。しかしそんな柔らかな物腰とは対照的に、野心家な一面ももっている彼。地味な倉庫街だったこのエリアを、オアフを代表するような観光地に育てたいという夢をもっています。
「もの」より「体験」。ヒントは日本
「いまこの店でやっているのは、ものを売る、ではなくて、体験を提供すること。それは、日本で得たアイデアがもとになっているんだ」
店舗の1階軒先には、マウイオニオン、ガーリック、のり、チリペッパーなど、さまざまなフレーバーパウダーを揚げたてのチップスに振りかけられるコーナーが設けられています。これは、自分オリジナルのインスタントヌードルを作り上げるという、日本の某ミュージアムを訪れたときに思い浮かんだアイデアだとか。
「ほかにも、浅草の仲見世通りとか、川越の小さなお菓子工場とか……立ち食いそばもおもしろいよね! 日本では本当に刺激をいっぱいもらってるよ」
ジミーの夢、拡大中
「ハワイに観光で来て、パールハーバーか、ドールのパイナップル畑か、はたまたカリヒのハワイアンチップカンパニーか? みたいに言われるようになりたいんだ」
最近では、向かいのビルにカフェもオープン。日本の立ち食いからヒントを得て、椅子は置かずに高めのテーブルだけを置いています。
「こうやって新しいことを考えるってわくわくするし、自分には向いていると思って」
オアフに行った際には、ぜひジミーの夢を「体験」しに行ってみてください。