プランテーション時代から伝わる「フラワーサックタオル」
フラワーサックタオル、という言葉、お聞きになったことがありますか?フラワーは小麦粉(Flour)を指します。
サトウキビ産業が全盛だった、いわゆる「プランテーション時代」のハワイでは、小麦粉が100パウンド(約45kg)ずつ大判なコットンの布袋に入っていて。当時の人々は、その小麦粉袋(フラワーサック)を洗濯・漂白して、ふきんやエプロンなどいろいろなスタイルで再利用していたんですって。
フラワーサックの生地は、触ってみるとふわっと柔らかくて、薄手なのに吸水力もすごい。それでいて乾きやすいので、いわゆる「ふきん・キッチンタオル」としての使い勝手がとてもいいのです。しかも糸くずが出にくく、ガラスのカップを拭いても拭きあとや「ケバ」が付きにくい。だからこそ、時代を超えて現代でも「フラワーサックタオル」として使い続けられているんですね。
日本からも、多くの人たちが農園で働くために移民としてハワイへやってきたプランテーション時代。当時から今に伝わる、先人たちの知恵。今で言う「サステイナブル」「アップサイクル」がすでに実践されていたと思うと、なんだか感慨深いです。
一枚ずつ手作業でプリント。使うほどに手になじむ愛おしさ
そんな歴史を感じる、懐かしくも新しい「フラワーサックタオル」を、一枚ずつシルクスクリーンプリントで作り上げているのが「ダウンタウン・ジェネラルストア(Downtown General Store)」。ホノルル在住のレス・キヤブさん、ペニー・キヤブさんご夫妻が営むブランドです。歴史と愛にあふれるご夫妻の歴史は、あらためて別の記事でご紹介させてくださいね。
数え切れないほどあるデザインは、ご夫妻や息子さんたちによるオリジナルが中心。ホノルルの自宅兼アトリエで、環境に配慮した、ウォーターベースのインクを使い、絵柄がずれないよう、ムラが出ないよう、一枚ずつていねいにプリントするレスさんの姿には職人のこだわりと、古き良きハワイへのリスペクトを感じずにはいられません。
ハワイのお花や風景、カルチャーをモチーフにしたフラワーサックタオル。シンプルな一枚の中に、ハワイの歴史や伝統、想い出がぎゅっと詰まっているような、そんな魅力にあふれています。
使い込むほどに柔らかく手になじむ、優しいタオル。キッチンでの家事時間を少し楽しくしてくれそうです。