ハワイ島のはちみつ生産者「ビッグアイランドビーズ」。無濾過・非加熱で生産されるナチュラルハニーで大人気のブランドです。彼らのはちみつの特徴は、「単一蜜」だということ。これは、その名の通り1種類の花の蜜からとれる、それぞれ味や香りの異なるはちみつです。どうしてそんなことができるのかという秘密は、過去の記事からどうぞ。
このはちみつを購入してくださったお客さまから、たまに寄せられるお問い合わせがあります。それは、「はちみつが固まってしまっています。どうしたらいい?」というもの。この「結晶化」と呼ばれる現象は、決して品質に問題があるわけではありません。でも、常にとろとろの状態をキープしている一般的なはちみつに慣れ親しんでいると、たしかにびっくりするかもしれませんね。そんな話を、オーナーのウェンディにぶつけてみました。
「糖分」の量と割合、「酵素」がカギ
「はちみつの結晶化は、みつばちが集めてくる花粉に含まれている『果糖』と『ブドウ糖』の量と割合によって決まるの」
なるほど、花粉にも個性があるとはおもしろいですね。そしてこの糖分以外にも、はちみつの食感に影響を与えるポイントがもうひとつあるのだと、ウェンディは続けます。
「ビッグアイランドハニーでは、主にオヒアレフアハニー、マカダミアナッツハニー、ウィレライキハニーという3種類の単一蜜を生産しているけど、三者三様、テクスチャーが違うことに気がついたかしら? これは、それぞれの花粉に含まれている酵素によるものなの」
結晶化の度合いやテクスチャーはあくまでそれぞれのはちみつの個性なので、「結晶化しているから本物のはちみつ」ということではないと、ウェンディは強調します。
瓶ごと湯せんでとろとろに
さて、ここからが本題。結晶化してしまったはちみつを扱いやすくするには、どうしたらいいのでしょうか? ホットドリンクに溶かすならばかたいままでもOKですが、料理に使う場合は、正直もう少しやわらかくしたいというのが本音です。
「鍋にお湯をわかして、そこにはちみつを瓶ごと入れてみて。お湯が瓶の中に流れ込まないように、お湯の量に注意してね。だんだんと熱ではちみつがやわらかくなってくるので、たまにかき混ぜながら過熱を続けます。ちょうどいいやわらかさになったら、火からおろせばOK」
ただし、この方法はマカダミアナッツハニーとウィレライキハニー向き。オヒアレフアハニーを加熱することはあまりおすすめしない、とウェンディは話します。
「以前もお話したように、オヒアレフアハニーは特にブドウ糖の含有率が高く、結晶化の度合いが高いの。湯せんが絶対にNGというわけではないけど、できればその食感をそのまま楽しんでもらえるとうれしいわ」
同じオヒアレフアハニーでも、収穫時期によってその結晶度合いは違うともいいます。はちみつも農産物。毎回異なるその味わいを、ワインの出来を愛でるように楽しみたいですね。