一度は廃業したマウイ島「カウパカルア ワイン&リカー」を復活させた、レオ・カイレス。リリコイワインを中心に、マウイ産のローカルフルーツを使ったフルーツワインを家族で製造しています。
「ラベルの写真は、僕の父さんなんだ」
言われて見てみると、激しいロデオを乗りこなす男性の姿が。これが…レオのお父さん?
「そう。うちでは昔から牛を飼っているカウボーイのファミリー。僕もロデオを乗りこなすんだよ」
そういうレオの顔は、どこか誇らしげです。
フルーツワインからブランデー
リリコイのほか、グアバやブラックチェリー、そしてサボテンの実など、さまざまなフルーツでワインをつくる、カウパカルア ワイン&リカー。今後はフルーツワインを蒸留した、フルーツブランデーの製造販売も計画しているといいます。
「一般的にブランデーはぶどうからつくるから、『リリコイブランデーって、一体どういうこと?』なんて聞かれるけど、簡単なことで。ブランデーはワインを蒸留してつくられる。ぶどう以外のくだものを発酵させてもフルーツワインはつくれるわけだから、それを蒸留すればフルーツブランデーになるってわけだよ」
授けられた土地で農業を営むこと
ブランデーのラベルにはこの写真を使おうと思ってるんだ、と言ってワイナリーのパンフレットを見せてくれたレオ。軍服のような立派な装いに身を包んだこの男性は…一体?
「カメハメハ4世だよ。1855年から在位したハワイ王国の国王だ。その頃のハワイは、大規模なプランテーションが次々に誕生したり、観光業も盛んになってきた影響で、先祖代々の土地で農業を営むことをやめてしまう人が増えていた。でもカメハメハ4世は、農業というものがハワイにとっていかに重要かということを説いたんだ」
いまも、おじいさんが手に入れた場所でフルーツを育てたり牛を飼うなど、土地に根差して生活しているレオのファミリー。カメハメハ4世の思想に非常に共感する部分があるといいます。
「それに、うちの母方の家系は、カメハメハ家とつながりがあるんだ」
この続きは、次回に譲りましょう。