2022 04.26 tue

ポルトガル移民と
ネイティブハワイアン
父と母が出会うまで

Story of His Dad and Mom
Portuguese Meet Hawaiian
KAUPAKALUA WINE&LIQUOR

「母さんは、マウイの東の端っこ、ハナの町で生まれ育ったんだ」
マウイ島北部カウパカルアで、フルーツワインをつくるカウパカルア ワイン&リカーのレオ・カイレスはそう話します。
「ハナに古い大きなフィッシュポンド(養殖池)があるんだけど、それは1800年頃から代々母の家族の所有。じつは、うちはカメハメハ家と遠い親戚にあたるんだ」
フィッシュポンドの修復工事がおこなわれた際には、カメハメハ1世が手伝いにやってきてくれた、という記録も残っているそうです。

大西洋の島から、太平洋の島へ

一方、レオのお父さんの家系はポルトガルにルーツをもちます。
「最初にハワイに移住してきたのは、僕のひいひいおじいさん。1888年のことだったって聞いているよ」
ポルトガルはアゾレス諸島、サンミゲル島という、大西洋に浮かぶ島がホームタウンだったといいます。でも、それがなぜ、はるばるハワイへ?
「当時ハワイは、カラカウア王の時代。大規模なさとうきびプランテーションが増えていたこともあって、世界中から労働者を集めていたんだ。移住を促すために、ハワイ王国は渡航費の負担までしていたようだよ」
当時はまだパナマ運河ができあがる前。大西洋を南下してぐるりと南アメリカの南端をまわり、ポルトガルからハワイまで6カ月かけての船旅だったといいます。
「当時ポルトガルでは、農作物の病害が深刻だった。特にじゃがいもなんかはひどくて、とにかく景気が悪かった。ハワイに行けば自分の土地が手に入るかもしれないということもあって、ひいひいおじいさんは彼の息子、つまり僕のひいおじいさんを含めて一家で移住してきたんだ」

夢を追い、ハワイ島からマウイ島

ハワイ島で生活を始めた、レオのひいひいおじいさん一家。到着時に11歳だったひいおじいさんは現地の女性と結婚し、やがておじいさんが生まれました。
「でも、彼が12歳くらいのときにひいおじいさんは死んでしまって。おじいさんは家族を養うために学校を辞めたらしい」
ちょうどそのころ、マウイ島に大きなプランテーションができるという話があり、一家はマウイに越してきました。1950年前後のことだったといいます。
「そして僕の父さん・ジョーが生まれた。父さんは、ハワイアンの血を引く母さんと結婚した。そして僕が生まれたってわけさ」
なんとも壮大なファミリーヒストリー。そこには、世界の、ハワイの、歴史がそのまま詰まっています。

BRAND ブランド紹介

KAUPAKALUA WINE&LIQUOR
カウパカルアワイン&リキュール マウイ島

マウイ島北部、カウパカルアにあるワイナリー。一度は禁酒法の影響で廃業した1905年創業のマウイ島初のワイナリーを、カイレスファミリーが復活させました。旧ワイナリーのあった土地に暮らす彼らは、ワインづくりの盛んなポルトガルからの移民の血筋。家族に伝わるレシピをもとに、リリコイ、グアバなどを使ったフルーツワインを製造しています。