マウイ島北部の高原地帯、カウパカルア。かつてこの地にあったマウイ島最古のワイナリー「カウパカルア ワイン&リカー」を復活させたのが、ポルトガル移民5世のレオ・カイレスです。
「ワインといっても、うちの主力商品の原料はぶどうじゃない。リリコイなんだよ」
そう、カウパカルアのシグネチャーアイテムは、リリコイワイン。パッションフルーツを使ったワインなんです。
「うちの土地で育ったリリコイを収穫。家族総出で種を取る作業をしたら、ぶどうのワインと同じように発酵させる。甘い香りが濃厚な、デザートワインのような味わいだよ」
冷やして、常温で、さらには…?
アルコール度数は10度前後。どんなふうに飲むのがおすすめなんでしょうか?
「暑い時期なら冷蔵庫で冷やしたり、氷と一緒に飲むのが最高。常温でもおいしく飲んでもらえると思うよ」
甘口なので、食事と一緒にというよりかは、食前酒や食後酒として楽しむのがいいとレオはいいます。
「家族や友人などたいせつな人との団らんのひとときに寄り添う、いうなれば『ソーシャルワイン』って感じかな」
現在安定的に製造しているのはリリコイワインのみ。しかし、今後の予定ではグアバやブラックチェリー、なんとサボテンの実を使ったワインまで製造するといいます。
「もうひとつ飲み方があって…。フルーツワインを、度数の高いスピリッツで割るんだ。そうすると、甘い!なのにガツンとくる!っていう、ものすごいインパクトにある味が楽しめるよ」
うーん…なかなかの離れ業。肝臓に自信のある方は、お試しください。
ファミリーレシピを昇格させよ
「これまでずっと家族の中でワインをつくって楽しんできたとはいえ、それはあくまでファミリーレシピ。ほら、お母さんの料理って、全部が目分量だったりするじゃない(笑)。書き留められたメモもないし、商品用のレシピを確立するのはなかなか大変だったよ」
原材料、分量、製造工程、そのすべてにおいて販売するための法律をクリアしなければならなかったというわけです。
「でも一番苦労したのは、できあがったワインを飲み干さないようにすること!」
そう笑うレオの笑顔が、カウパカルアのワインの味を物語っています。