2020 04.24 fri

口下手な彼の農家転身
カウアイ島ハナレイで
タロイモと暮らす

A Taro Farmer in Hanalei, Kauai
The Story about Russel Koga
TARO BRAND

「名字はコガ、ミドルネームはヒデキ、って言うんだよ」
英語でそう自己紹介してくれたのは、カウアイ島ハナレイでタロイモ栽培に従事するラッセル。ハワイアンと日本人のハーフなんだそうです。

タロイモ農家3代目

水が張られて田んぼのようなタロイモ畑で、泥んこになりながら一生懸命働く姿がじつに素敵な彼。じつは生まれはアメリカ本土、カリフォルニアなんだそうです。
「もともと僕のおじいちゃんがここハナレイで1941年にタロイモ畑を始めた。だからお父さんはハナレイ生まれなんだけど、空軍所属だった関係で転勤が多かった。それでカリフォルニアにいたときに、僕が生まれたってわけだよ」

建設現場から、畑へ

学校卒業後、5、6年は建設現場で電気技師として働いていたというラッセル。
「そのときの仕事も好きだったよ。じつはあまり人と接するのが得意じゃなくて…(笑)。そういう意味では、僕にとってはしっくりくる仕事だった」
人懐っこい笑顔からはそんなふうに見えないラッセルですが、電気盤と相対して黙々と進める作業がお気に入りだったようです。

タロと、野鳥と、山の水

カウアイ島の北部にあるハナレイは小さな町。その外れ、ハナレイ渓谷と呼ばれる谷地は、タロイモの一大生産地です。美しい自然環境が希少な水鳥たちの住処となっており、自然保護区にも指定されています。
「タロを植えてから収穫するまでには、季節によって1年から1年半かかる。その間水を張りっぱなしにしていると、死んだ魚の死骸が原因でサルモネラがわいたりするってことから、数週間ごとに水を抜いて、また張って。そんなふうにしてタロを育ててるんだ」
周囲の環境と、まるで呼吸を合わせるように育つタロ。水は山からの天然水を引き込んでいます。

おしゃべりより泥遊び

「この仕事は、一生続けていこうと思っているよ。まだ初めて2年半だけどね」
じゃあなぜ最初は電気技師に?
「若かったし、まだカリフォルニアにいたし、単純に自分の人生についてあまり深く考えてなかったんだと思うよ(笑)」
でも思い返してみれば、昔から泥遊びが好きだったし、肉体労働も苦にならない、とラッセル。最後に、いまの仕事で一番気に入っていることを聞くと、
「人と話さなくていいところ(笑)」
まさかの電気技師時代と同じ返答が。でもそんなふうに言いながら、私たちの突然の訪問にもとても丁寧に対応してくれた彼。そんなラッセルの育てたタロイモは、きっととってもやさしい味がするはずです。

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BRAND ブランド紹介

TARO BRAND
タロブランド オアフ島

1946年、小さなポイ製造所としてスタートしたHPC社の、タロイモを使った商品ラインが「タロブランド」。「ポイ」とは、タロイモを蒸してすりつぶし、発酵させた伝統食。高い栄養価と非アレルギー性であることから、離乳食としても注目されています。HPCは、このタロイモ文化を後世につなぐべく活動しているローカルカンパニーです。