古き良きハワイの“公衆電話”を
アートで再生
懐かしくも新しいソラリオの世界へ

HAWAIIを読む, つくりて・ ヒストリー・思い

ミッドセンチュリー・モダンなハワイの建築や、レトロなネオンサイン。古き良きハワイを独自のアートで表現するアーティスト、マティアス・ソラリオさん。やさしい笑顔にくるんとした個性的な口ひげが印象的。サンフランシスコ出身で、現在はハワイを拠点にイラストレーターとして活動している話題の人です。

コロナ禍にハワイへ移住。もともとアマチュアカメラマンとして、世界中の古い建物やネオンサインの写真を撮っていた経験もあり、ハワイでも古いアパートやホテルに残る「ミッドセンチュリーモダンな要素の魅力」に惹かれたといいます。

●あの頃のハワイが蘇る「公衆電話ボックス」

そんな彼の数々の作品の中でも、とくに注目を集めているのが、ハワイの公衆電話をモチーフにしたもの。ハワイにおける公衆電話は、とくに1960〜80年代が全盛期。ローカルはもちろん、世界中から集まる旅行者の主な連絡手段として、様々な場所に設置されていました。

ハワイの街並みに合わせたポップなデザインのボックスも多く、ソラリオの作品にある「鮮やかなブルーにオーキッドが描かれたタイプ」は、象徴的なもの。携帯電話の普及に伴い、その数も徐々に激減し、現在は実際に使われることもほとんどないのですが、だからこそこの光景をアートとして残し、伝えていくことの意味は大きい。

この公衆電話をハワイで使ったことがある人は、その懐かしさを鮮明に思い出す。そして、使ったことがない世代の人は、当時の人々の会話やコミュニケーションについて思いを馳せることができる⋯⋯。素敵ですよね。

「ハワイの街並みの中にあり、文化的価値を持つ歴史的な風景に魅了されたんです。クラシックでノスタルジックな風景を、美しい記録として残したいと思った。とくに1950〜70年代のレトロシックな風景が好きで、自分なりのアートと融合して表現、忘れられかけた記憶を取り戻し、再現、さらに鮮やかに残していくことに挑戦し始めました」とソラリオさん。

だから彼の作品は、実際の建物や街並み、モチーフに忠実でありながら、優しくキラキラと輝いている。「あの頃」の空気感とともに、大きな存在感を人々の心に訴えかけてくるのだなあと感じます。

●木版画もアロハシャツも!ソラリオ・ワールドが止まらない

レトロな建築様式やお洒落なタイポグラフィーは、今見ても新しくてかっこいい!ソラリオさんは、それらを表現するのに20世紀のブロックプリント(木版画)の技術を再現するスタイルも取り入れています。物理的な版画やiPadなどのデジタルテクニックを使って、ミッドセンチュリー印刷の質感を表現したいとも話してくれました。

今後は、ベーシックな「木版画」でのオリジナル作品作りにも挑戦していきたいというソラリオさん。また、1936年にホノルルで創業された、ハワイの伝統的アロハシャツブランド「KAHALA」とのコラボレーションなども手掛け、アーティストとしての活躍の場はさらに広がっています。

進化を続けるソラリオ・ワールド。これからも注目し、応援していきたいと思います。