「パイナップルの仕事しかしたことないんだ。この仕事のいいところは、なんたって屋外で働けるってこと。俺にはオフィスワークはまず無理だと思う(笑)」
マウイ島ハリイマイレで、マウイゴールドパイナップル栽培に携わって40年のルディ・バララはそう笑います。この地では前身の会社が1930年代から農園を始め、ルディは2010年に「ハリイマイレパイナップルカンパニー」を設立。今ではマウイゴールドを原料にウォッカやウイスキーを蒸留する「ハリイマイレディスティリング」のもとでパイナップル栽培を手掛けています。
やってることを楽しむ、が一番
ルディの両親は、1940年代にハワイにやってきた移民。ほかの多くの移住者と同じく、さとうきび栽培に従事していたといいます。ルディは、学生時代の夏のアルバイトとしてパイナップル農園でのキャリアをスタート。大学を卒業してからフルタイムで働き始めました。これまでほかの仕事に浮気したいと思ったことは?
「あるよ(笑)。ちょっと他のことがしたいな~って。でもしなかった。お金がどうこうじゃなくて、この仕事が好きなんだよね。お金のために仕事を決める人もいるけど、自分はそうは思わない。何よりも、自分がやっていることを楽しむ、それが一番」
この仕事で一番難しいのは、やはり天気だといいます。「豪雨、干ばつ、寒気……こればかりはコントロールできない。それが農業。でも、それが楽しい部分でもあるんだよね」
パイナップルは、人生そのもの
ルディにとってパイナップルとは? 最後にそう尋ねると、ゆっくりと時間をとってからこう答えてくれました。「For me, it’s life」。自分にとっては人生そのもの。それによって品質の高いものを生み出して、みんなに届けられるなら最高だ、と。「あえて説明しろと言われたらそんな感じかなぁ」。照れ臭そうに笑うルディからは、言葉数が少ないながらも、マウイゴールドへの大きな愛があふれ出ています。