2020 02.07 fri

コナコーヒーの
品種ってなに?
ブランド名vs品種名

What Actually Is “Kona Coffee”?
Brand Name vs Variety

ハワイのコーヒーといえば、まずその名を挙げる人が多いのがコナコーヒー。しかし「コナコーヒー」というこの呼称、品種名ではありません。じつはこれ、ハワイ州で決められた基準を満たしたコーヒー豆が名乗ることのできる「ブランド名」なんです。たとえば、「大間マグロ」がブランド名、品種名は「クロマグロ(通称:本マグロ)」。そんな具合といえば、我々日本人にはわかりやすいでしょうか。

あらびかてぃぴか?

コーヒーの品種は、一説には何百ともいう膨大な数に枝分かれするといわれていますが、大きく分類するとコナコーヒーの多くは「アラビカティピカ」と呼ばれるもの。深い味わいとその品質の高さで、世界的に評価されている品種です。そして、このアラビカティピカはオアフ島の北部、ワイアルアというエリアでも栽培されており、「ワイアルアコーヒー」というブランド名で呼ばれています。

同じ品種、異なる味わい

コーヒーは嗜好品。また、焙煎によってもその味を大きく変化されるので一概に表現するのは難しいですが、一般的にコナコーヒーとワイアルアコーヒーは味わいに大きな違いがあるといわれています。芳醇な香りで奥深い旨み、ほどよい酸味をもつとされるコナに対し、ワイアルアはマイルドで甘みのある口当たりの良さが特長。土壌や気候の違いによりここまでの差が出るのかと驚くほど、それぞれのフレーバーは異なります。

実は遠い親戚

そもそもコーヒーの木はハワイに自生しておらず、1820年代にブラジルから持ち込まれたものが始まりだというのが通説。それがはじめはオアフ島でうまく育たず、ハワイ島コナでの栽培が盛んになりました。その後、逆輸入のような形でオアフに戻ってきたのが、いまのワイアルアコーヒーの先祖だといわれています。品種も同じ、ファミリーも同じ。でも、育った環境の違いから、それぞれ鮮やかな変化・進化を遂げていったというわけです。

ブランド名、続々

ハワイにはコーヒー以外にも、さまざまな「ブランド生鮮」が存在します。たとえば、ずば抜けた甘みと酸味の少なさで人気のブランド「マウイゴールドパイナップル」は、「レッドカイエン」という品種。葉っぱの先がほんのり赤く染まるので、この名がついたといいます。一年中新たまねぎのようなフレッシュな甘みが特長の「マウイオニオン」に関しては、季節によっていくつかの品種を育て分けているそうです。

当たり前のように目にしているおみやげ品の字面も、一歩踏み込んで知ろうとしてみると新しい発見がありますよ。