マウイ島北部、標高3055mのハレアカラ山の麓に広がる高原地帯、ハリイマイレ。太陽の日差しがさんさんと降り注ぎ、夜は冷涼な気候の高原地帯です。ここで育つのが「マウイゴールドパイナップル」。糖度が一般的なパイナップルに比べ高いことに加え、特筆すべきはその低酸性。パイナップル特有のいがいが感が少なく、小さなお子さんでもぱくぱく食べてしまうまろやかな味わいです。
完熟を見極め、手作業で収穫
「収穫後に追熟しないので、48時間から72時間しかない完熟の状態を狙ってピックアップするよ。収穫は全部手作業だ」
マウイゴールドの仕事に携わって40年のルディ・バララが教えてくれます。植え付けから収穫までにじつに18カ月を要するマウイゴールド。その甘みが最高潮に達して、果実が金色に輝くわずか2~3日の間に収穫するのです。畑の広さはトータルで867エーカー。東京ドームじつに80個に迫る広さです。そのなかから完熟のものだけを2~3エーカー分ずつ収穫するというから、想像するだけで気が遠くなります。収穫は週に2回、月曜と水曜。収穫の次の日は工場で洗浄、選別、パッキング作業に入ります。
マウイゴールドがご機嫌な理由
収穫の際に使うのは、1台3500万円ほどするというベルトコンベア付きの特別車両。その後ろから、真っ黄色のパイナップル色をしたスクールバスが走ってきます。
「前は収穫からパッキングまでを全部フィールドでやっていたから、いまよりかなりの人出が必要だったんだ。彼らを運ぶために導入したのがこのスクールバス」
バスが黄色で、パイナップル色だから選んだの?の問いに、いやいやたまたまだよと笑うルディ。車の上からはスタッフが、おーいとこちらに向かって手を振ってくれています。眼下に望むのは紺碧の海。こんな心地よい空気のなかで育ったパイナップル、ご機嫌な味がしないわけがない!