赤い帽子のようなものをかぶったイラストがかわいらしい「メネフネマック」のチョコレート。同じ名前で続くもっとも古いハワイのお菓子工場で、その歴史は2019年でなんと80年目を数えます。パッケージのキャラクターは、「メネフネ」というハワイに伝わる伝説の妖精。夜、誰も見ていないときにこっそりと仕事を手伝ってくれる働き者だそうです。
沖縄からやってきた日系三世
現社長、ニール・アラカキのお父さんが先代から会社を買ったのが1972年。いまではニールのお姉さんのゲイル・タイラ、妹のスーザン・モリタと一緒に会社を運営しています。おじいさんおばあさんが沖縄から移住してきた日系三世の兄弟です。
「兄弟で私が真ん中。だから一番苦労が多いよね」
日本に住んでいたこともあるニールが、流暢な日本語で話します。ゲイルは製造管理、スーザンは顧客対応が主な仕事です。兄弟の中で一番怖いのは?の問いに、いたずらっぽくゲイルを指さすニール(写真)。
楽しくなかったら仕事じゃない
「この仕事を継がないという選択肢はなかったよ。12、3歳のときにはもう手伝っていたね」
ゲイルもずっとメネフネマックの仕事を手伝ってきたといいます。一方スーザンは、銀行や大学の職員として働いていたこともあったようですが……。
「毎日職場からものすごいストレスを抱えて帰ってくるからさ、そりゃもう家の中がエキサイティングだったよ(笑)」
そしてスーザンも、めでたくメネフネマックで働くようになったのです。
楽しくなかったら仕事じゃない――。まるで趣味のような、そんな仕事を見つけられれば、お金はあとからついてくる、とニール。「でも僕の趣味は寝ることだけどね」、と最後に茶化してしまう彼のキャラクターは、メネフネマックのチョコレートのようにスイートです。