ハワイでクラフトビールを楽しむ、という文化が広がるなか、ホノルルを代表するブルワリーのひとつとして親しまれているのが「Honolulu Beerworks(ホノルルビアワークス)」。2014年にカカアコで誕生し、10年以上にわたって個性豊かなビールを造り続けています。
2025年には拠点をカリヒへ移し、新たなブルワリーとタップルームをオープン。規模を広げながらも、ホノルルという土地とのつながりを大切にする姿勢は変わりません。
ホノルルビアワークスの魅力は、単に「ハワイで造られているクラフトビール」というだけに留まりません。ビールの味わいはもちろん、名前や缶のデザイン、ブルワリーの空気感、地域との関わり方まで。その一つひとつに、この街で生まれ育ってきたブランドならではの個性が感じられます。
異業種から始まった、肩ひじ張らないビール造り
ホノルルビアワークスを立ち上げたのは、ジェフ・サイデマンさんと妻のシャーメインさん。
実はジェフさん、もともとは自動車関係の仕事やレストランの厨房、建設関係などを経験してきたという方。ホームブルーイングをきっかけにビール造りの世界へ入ったのだそう。
※ホノルルビアワークスの始まりのお話はこちらから。
創業者ジェフのブルワリーへの道
こんな経歴があるからか、ホノルルビアワークスにはどこか気取らない雰囲気が感じられます。
クラフトビールというと、種類や製法に詳しくないと楽しめないような印象を持つ人もいるかもしれません。けれど、ここで造られるビールは、専門知識がなくても気軽に選びやすく、食事や会話と一緒に自然に楽しめるものが多いのが特徴です。
もちろん、造り手としてのこだわりはたっぷり。それでも、そのこだわりを前面に押し出すのではなく、まずは気軽に「おいしい一杯」を楽しんでもらいたい。そんな親しみやすさが、長く支持される理由の一つなのかもしれません。
“ハワイらしさ”は、味だけではない
クリームエール、ペールエール、IPAなどの定番スタイルから、季節限定のビールまで幅広く醸造しているホノルルビアワークス。ハワイ産の素材や、コーヒー、ハチミツ、ココナッツ、柑橘などを取り入れることもありますが、すべてが単純な“南国フレーバー”というわけではありません。
それぞれのビールが持つスタイルを大切にしながら、そこにハワイならではの素材や発想を加えている。そのバランス感覚こそが、ホノルルビアワークスらしさのひとつです。
そして、ハワイを感じるのは「味」だけではありません。
ビールの名前には、オアフ島の地名や海、サーフカルチャーを思わせる言葉が使われています。商品名を眺めているだけでも、その背景にある場所や風景が気になってきます。
「ハワイのビールだからハワイ風の味にする」という単純な発想ではなく、土地の名前や文化、日常の感覚まで含めてブランドを表現する。そこに、このブルワリーならではの奥行きが感じられます。

缶のデザインにも表れる、ホノルルらしい個性
ここの特徴は、缶ビールのデザインにも表れています。一般的な“南国らしいハワイ”のイメージとは少し違う、個性派ぞろい。鮮やかな色を使いながらも、どこか無骨でインダストリアル。そこに海や自然、ローカルアートの要素が重なり、一度見ると印象に残るデザインに仕上がっています。
ブランドのロゴにも、ホノルルの産業の歴史を感じさせるモチーフが。また、地元アーティストとコラボレーションしたラベルも多く、気に入ったパッケージでビールを選ぶ…というのも楽しさのひとつです。
さらに、ハワイの自然や地域をテーマにしたビールを造ることもあるそう。単に商品として販売するだけでなく、そのビールをきっかけに、地域の自然や文化に目を向けてもらう。そうした姿勢にも、地元との距離の近さが表れています。
味、名前、デザイン、そして地域とのつながり。
それらのさまざまな要素が重なり合い、ひとつのブランドとして“ホノルルらしさ”を形づくっているところこそ、ホノルルビアワークスの魅力です。
よく冷えた一杯を味わいながら、その名前の由来やラベルに描かれた世界、その背景にあるホノルルの街や文化にも少し思いを馳せてみる。お気に入りのおつまみと一緒に、そんな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。





