人間は、論争が好きだ。
「バナナはおやつか?デザートか?」から「男と女に友情は存在するか?」など、人の命や世界情勢に全く関係のない平和な論争が、世の中には溢れている。
私は、「大学いもはおかずだ」という家庭で育てられてきた。そして「いや、絶対におやつだ」と主張する幾多の人物にも会った。正直言えば、子供の頃から食事中に甘いものを食べてもそんなに気分が上がるタイプではないので、「別におやつで良いかな」とも内心思っていた。
・・・と、ここまで話しておいて「おかず派」「おやつ派」どちらの論客に対しても水を差すようで恐縮だが、「大学いもは酒のつまみだ」という乱暴な持論を、持ち込ませていただきたい。
だって、本当に美味しいのだもの。
以前九州のちょっと良い天麩羅店で、シャンパンと香り系の芋焼酎とさつまいもの天ぷらを頂いて「あ。これだ!」と思ったのがその発想のきっかけだったと思う。
ともすると「大学いも」という言葉が我々日本人の呪縛になっているのかもしれない。
「キャラメリゼされたスイートポテトは洋酒に合う。」とフレンチシェフに言われたら?
アリでしょう。
ワインは赤白。ブランデーにも合いそう。けれど、実は、大学いもはラムに抜群の相性なのである。
ということで、大学いもとKOLOAラム6アイテムを、利酒師の資格を持つ私がペアリング試飲をしてみた。
どれもなかなか面白い相性でとても美味しい・・・のだけど、中でも圧倒的な好相性が「スパイスラム」。
仄かに漂うシナモンのようなニュアンスがさつまいもの風味にマッチし、そして蜂蜜のカラメル感とスパイスラムの持つ控えめな甘さ&ビター感がドンピシャ。
これは是非ご家庭でも試していただきたいし、「ちょっと目先を変えた変わり種」としてBARメニューとしてもお薦めしたい。
「意外だけれど、言われてみれば納得」という洋酒と和食のマッチング。実は他にも、色々とありそうだ。
・・・ところで、「大学いも」って英訳するとどうなるんでしょう。”Japanese College sweet potato”? こちらも”論争”が起きそう。
Bowlの記事タイトルをいつも翻訳してくれるお姉さんに今回も無理難題を最後に持ちかけつつ、お後が宜しいようで。