2023 06.20 tue

マウイオニオンと
日本のたまねぎ
飴色たまねぎ味対決

Golden Brown Sauteed Maui Onion
Perfect Essence for Your Cooking

「マウイオニオンが育ってる場所って、見たことある?」
元ハワイアンレストランのシェフ・ボビー青木さん、突然私たちに問いかけました。マウイオニオンが、マウイ島のクラ地域で栽培されるってことは知っていますけど…そうですね、その現場を見たことはまだないです。
「僕は1回だけ畑を訪問したことがあるんだ。もちろん、マウイの高原地域でさわやかな気候…ってさんざん話には聞いていたけど、実際にその地に立ったときの感動はいまだに忘れられないよ。ウェストマウイに向かってなだらかに下る傾斜地。その向こう側には紺碧の海が見えて、なんともいえない心地いい風が吹き抜ける。こんなところで育ったら、そりゃ辛みの少ない“性格のいい”たまねぎが育つよ、って。妙に納得したもんだ」
今日のボビーさんは、なんだか少しだけセンチメンタル。パンデミック以来ハワイもご無沙汰だから、懐かしくなっちゃうのも仕方ないですね。

みんなに届ける調理済みアイテム

「現地で食べた生のマウイオニオンは、本当に最高のひと言。スライスしたてをマウイビーフと合わせたハンバーガーなんてもう、この世のものとは思えない味だったよ」
フレッシュのマウイオニオンでつくるハンバーガー…。想像するだけでよだれが出ますが、日本ではなかなか生のマウイオニオンにありつくのは難しいですよね。
「そうだね。でもだからこそ、以前にも紹介したソテーを冷凍した業務用商品があるんだよ。あれって、じつはものすごい逸品。単品で味見すると『わーおいしい!』で終わっちゃうけど、日本の一般的なたまねぎのソテーと食べ比べると、その差は歴然なんだ」
そう言われたら食べてみたい。と思ったらボビーさん、すでにお鍋をふたつ用意しています。

糖度がすべてではない

「今回は、どちらも重量が70%になるまで炒めたものを用意したよ。まずはこっちが、一般的な日本のたまねぎでつくったソテー」
ありがとうございます。いただきます。うん…。まあ、こんなものかなという感じもしますが、若干のえぐみがあって、さらにそれぞれの味の要素が暴れているように思えるのは私だけでしょうか?
「いや、いい視点だと思うよ。次はこっち、マウイオニオンソテーね」
…おお! なんでしょう、このバランスの良さは。上品な甘みと、深い旨み。その陰にもさまざま繊細な味わいが層を成していることを感じますが、なんせ全体がきれいにまとまっている印象です。
「よく野菜やフルーツは『甘み』が高いほど良い、とされるじゃない? でも、本当にそうなのかなって。実際今回食べ比べた2種類のたまねぎソテーの糖度を計ったら、日本のたまねぎのほうが甘かった。でも、味の印象でいったら断然マウイオニオンだと思わない? 甘ければいいってわけじゃなくて、バランスなんだよね」
単純な数値に踊らされるのではなく、全体を見る。これ、料理以外にもいえそうな真理ですね。