2021 11.02 tue

デモで詳細に解説!
いつものコーヒーが
変身する淹れ方の極意

This Is It!
How to Brew the Best Coffee Ever

聞けば聞くほど奥深いコーヒーの世界。焙煎を専門とするコーヒーマスター、ロッシ国枝さんにお話を伺い始めて今回でもう3回目。いよいよ、実際においしいコーヒーの淹れ方をデモンストレーションしていただきたいと思います。

じつは優秀? 水道水

「豆とお湯の量は、豆10gにお湯120mlがひとつの目安。でも、これもお好み次第です」
豆を挽いたら、ひと息ふっと息を吹きかけて、豆の皮などを飛ばしてみてください、と国枝さん。このひと手間で、雑味のもとを取り除けるのだといいます。使う水については…
「日本でとれる水はほとんどが軟水。日本人はこのやさしい味に慣れているので、水道水を浄水器できれいにしたものがいいと思います」
ミネラルウォーターは一般に硬水。こちらがお好みの方もいるので、興味があればぜひ両方試してほしい、と国枝さんは話します。
「お湯を沸かしたら、容器を移し替えるなどして90℃少々まで下げます。面倒であれば、水を差して温度を下げても問題ありません」

最後の一滴、どう扱う?

今回は、シンプルなハンドドリップで淹れてみます。熱めの仕上がりが好きな方は、容器にあらかじめ一度お湯を注いでから空け、あたためておくといいといいます。ドリッパーにペーパーをセットしたら、一度軽くお湯で湿らせます。こうすることで、紙臭さを取り除いた後、挽いた豆をセットします。
「まず、豆全体にお湯をふくませ、30秒程度蒸らします。こうすることで、コーヒーの繊維質を膨張させて、成分を抽出しやすくします」
蒸らし工程が完了したら、ここからゆっくりと注いでいきます。中心だけに偏らず、外周のペーパーに近づきすぎず、ゆるやかに円を描くように。上部までお湯が来たら、一度注ぐのを止めます。
「蒸らしも含めて、5、6投に分けて注いいでいきます。トータルで3分程度が目安です。慣れないうちは、タイマーで計ってみてもいいでしょう」
最後の一滴には雑味が出るので、落ちきる前にドリッパーを外すのが国枝流。そうして丁寧に淹れたコーヒーをひと口飲めば…おいしい! いつもと同じ豆とは思えないほどの、ふくよかな旨みが花開きました。温度が下がってくるとさらに雑味・苦味を感じにくくなり、味わいが変化します。
おうちにあるいつものコーヒーでどれだけ変わるのか、ぜひ一度試してみてください。