ゆっくりとハワイを旅していると、この土地に根付いた人々の生活や文化のかけらをふいに目にすることがあります。古代の人々がつくった神殿「ヘイアウ」跡は大小さまざまありますし、この石垣はなんだろう？と思うと、大昔に築かれた魚の養殖池だったなんてことも。では、冒頭の写真はなんでしょう？ ハワイ島西海岸コナのシーソルトメーカー「コナシーソルト」のすぐご近所で見つけられたこちら。岩に無数の小さな穴が掘り込まれています。
ハワイ島、西の端っこ
コナシーソルトが位置するのは、ハワイ島の最西端であるケアホレ岬。溶岩台地からなる海岸線に、約8500坪もの敷地を有しています。ここで約670メートルの深さからくみ上げた海洋深層水を使って作られるのは、ミネラル豊富な正真正銘のハワイアンソルト。有名シェフも多くファンにもつ、まろやかな塩味と深い味わいが魅力のお塩です。
飛び越えてゲットせよ！
さて写真のこれ、じつは「コナネ」と呼ばれるふたりで対戦する古代ハワイのボードゲーム。白と黒の小石を使い、相手の石を飛び越したらその石が自分のものに。獲得できる石がなくなってしまったほうが負けです。このゲームはギャンブルを兼ねてプレイされていたことが多かったので、西洋諸国から渡った宣教師によって禁止されたのだといいます。今回コナシーソルトが見つけたゲーム盤が何年頃のものかははっきりしませんが、一緒に残っていた小石の具合からはかなり使い込まれた様子がわかるといいます。
「ハワイのどこでもコナネのボードが見つかっているわけではないから、まさか自分たちのソルトファームのすぐそばにあったなんて！ 初めて見たときは興奮したわ」
コナシーソルトのメラニーはそう話します。ガイドブックにたくさんふせんを貼って時計とにらめっこしながら観光するのもひとつではありますが、ゆったりと足元を眺めながらのお散歩旅なら、こんなサプライズが見つけられるかもしれません。
photo by Kona Sea Salt