2020 06.19 fri

難解!塩の定義
同じ小さじ1でも
大きな違い?

What Is the Difference?
Table Salt vs Natural Salt
KONA SEA SALT

「天然塩は健康にいいよね」「温野菜にはやっぱ岩塩!」「食卓塩はなるべく避けてる」
そんな会話を耳にしますが、塩のお話はとっても複雑。今日はこの難解ながらも奥深い世界を探検してみましょう。

旅する海の水

塩の原料は、言わずもがな海水。この中に含まれる「塩化ナトリウム」が、私たちにいわゆるしょっぱさを感じさせる物質です。でも、この海水を採取する環境によって、塩はその呼称を変化させます。「海塩」は、文字通り海水を原料とした塩。では「岩塩」はどうでしょうか。岩のように塊になってればすべて岩塩? 答えはNO。大昔の地殻変動によって海水が陸地に押し上げられ、地上で固まったものが岩塩です。もうひとつ、私たち日本人にあまりなじみのないところで「湖塩」があります。これももともとは海水なのですが、地殻変動によって生まれた海水湖の水を原料とするもの。ちなみに日本では岩塩、胡塩はなく、国内で採取できる塩の原料はすべて海水です。

抽出か、ありのままか

次は製造方法のお話。よく見かける「食卓塩」は、原料を精製して塩化ナトリウムの割合を99%以上にまで高めたもの。さらに、さらさらに保つための炭酸マグネシウムが添加されています。対して、俗に「天然塩」「自然塩」と呼ばれるものは、原料に含まれるカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル成分を取り除かずに残した塩のこと。これらのミネラルは、ナトリウムにより急激に血圧が上がることを抑制する効果があるとされています。さらに味に奥行きを与えるので、角のある塩気が特徴の精製塩とは一線を画します。

ひと口に小さじ1杯といえども?

ハワイ島コナ沖の海洋深層水を原料に塩を製造する、「コナシーソルト」というブランドがあります。ここでは原料の海水に対して何も足さず、何も引かず、そのままの状態で結晶化させていきます。結果、ナトリウム値は一般的な食塩に比べて33%も低い。その分前出のようにさまざまなミネラルが含まれているというわけです。

食卓塩も決して悪ではない。でも、同じ小さじ1杯でもその成分構成は大きく違うということ、頭の片隅に置いておいても損はないと思います。